ZKJ清算が全清算の8割を占める異常事態
Web3の相互運用性プラットフォーム「Polyhedra Network(ポリヘドラ・ネットワーク)」のネイティブトークン「ZKJ」が15日、80%を超える暴落を記録した。オンチェーン分析によると、一部のクジラ(大口保有者)による大量売却が引き金となり、連鎖的な清算が起こったと見られている。
オンチェーン分析アカウント「Lookonchain(ルックオンチェーン)」によると、15日に次々と強制的に決済されたZKJのポジションは、わずか4時間で9,900万ドル(約142.9億円)以上に達したとされる。この清算額は、同時間帯の暗号資産(仮想通貨)市場全体の清算額の81.3%を占める異常な規模となった。
ZKJの価格は、暴落前には280円台で取引されていたが、執筆時点では47.6円まで急落し、1日の下落率は83%を超えている。
ルックオンチェーンは、6つのクジラウォレットが合計で523万ZKJ(売却時点の価格で約966万ドル・約13.9億円相当)を売却していたことを特定。これらのウォレットは暴落前から市場から流動性を引き出し、売却の準備を進めていたと指摘している。
また、大手取引所「Binance(バイナンス)」も、大口保有者による流動性の引き上げと、それに伴う連鎖的な清算が価格急落の要因であるとする初期調査結果を公表している。
この事態を受け、ポリヘドラ・ネットワークは公式Xで声明を発表。「ポリヘドラの技術とコミュニティというファンダメンタルズは依然として強力だ」と強調し、今回の価格下落は「ZKJ/KOGE取引ペアにおける、短時間での一連の異常なオンチェーン取引」が原因であると説明。現在、状況を詳しく調査しているとした。
まだ今回の暴落原因は完全には特定されていないものの、時価総額ランキングが比較的上位(ZKJは執筆時点で347位)でバイナンスに上場されている仮想通貨ですら、特定のクジラの行動によって価格が実質的に操作される可能性があることを、改めて浮き彫りにした事例と言えそうだ。プロジェクトチームの調査結果と今後の対応が注目される。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.36円)