テレビ朝日グループ傘下のエクストラ・マイル株式会社が事業ライセンスを開発するIP(知的財産)創出プラットフォーム「Xross Road(クロスロード)」は9日、プレシードラウンドで総額150万ドル(約2.3億円)の資金調達を完了したと発表した。アービトラム・ゲーミング・ベンチャーズとデシマ・ファンドが共同リードを務め、タイス・ベンチャーズ、バブーンVC、および個人投資家が参加した。
調達資金は、AIマンガ制作ツール「HANASEE(ハナシー)」の開発体制強化に充当される。同日よりクローズドベータ版の提供を開始した。
小説を瞬時にマンガ化、プロ品質を実現
「ハナシー」は、作画スキルを持たない小説家や脚本家が、自身の物語を高品質なマンガとして視覚化できるAIエージェント型制作エンジン。現役漫画家の協力のもと調整されたトレーニングモデルを採用し、イラスト、脚本、コマ割りの各工程に特化したAIエージェントが連携して動作する。
従来の画像生成AIの課題である「一貫性の欠如」を克服するため、各工程をレイヤー化した編集ツールを実装。キャラクターの容姿、衣装、背景設定を全ページで維持し、視線誘導やページをめくるリズムといったマンガ特有の原則をAIが自動計算する。クリエイターはAIエージェントと対話しながら物語の方向性を指示し、細部を調整できる。
昨今、ウェブ小説発の作品がアニメ化・マンガ化され、メディアミックスによってファン層を拡大するヒットモデルが確立している。しかし、実際にコミカライズやメディア展開の機会を得られるのはごく一部の人気作品に限られており、多くの有望なストーリーが世に出る機会を逸している。
クロスロードは「ハナシー」により、作家自身が小説や脚本を高品質なマンガへと迅速に変換し、IPとしての成長を加速させることで、より多くのファンがお気に入りの作品に出会える世界の実現を目指す。
透明性の高い収益化とIP展開を支援
クロスロードは、生成されたコンテンツが正当に評価され、広く流通するエコシステムの構築に取り組んでいる。「ハナシー」で制作されたマンガは、将来的にクロスロード・プラットフォーム上での公開・販売が可能になり、透明性の高いレベニューシェアを保証する権利管理システムを2026年内に導入予定だ。
IPホルダー(小説家、スタジオ等)に対しては、既存IPのマンガ化による市場テストや多角展開のための低コストかつ迅速な選択肢を提供する。現在、マンガ・アニメ業界の収益モデル拡大に向け、パートナーシップの構築とパイロットプログラムを積極的に推進している。
投資家「テレ朝とグローバルIPパイプラインを構築」
アービトラム・ゲーミング・ベンチャーズのニン・ジャン氏は「ファンをアニメやマンガなどの優良なエンターテインメントIPに直接つなげることは、これまで常に困難だった。ハナシーを通じて、クロスロードとテレビ朝日グループは、ファンにとっての拠点となると同時に、ゲーム、グッズ、コンテンツにわたる新製品の企画と資金調達をIPホルダーと共に推進する強力なプラットフォームを構築した」とコメントした。
デシマ・ファンドのトニー・チェン氏は「数ヶ月間クロスロード・チームと密接に連携してきたが、彼らがアニメ文化と今後の方向性を深く理解していることは明らかだ。クロスロードはアニメを『視聴』の枠を超え、ゲーム、ステッカー、グッズ、そして新しいコンテンツフォーマットへと拡張させる。ハナシーは、ファン自身が次世代のクリエイターになることを可能にする」と述べた。
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