韓国の暗号資産(仮想通貨)取引所アップビットを運営するドゥナムは3日、インドネシアの認可済み暗号資産取引所ICEx(Indonesia Crypto Exchange)と戦略的覚書(MOU)を締結したと発表した。この提携は、技術面や運営面での協力を通じて、インドネシアの規制下にある暗号資産エコシステムの発展を後押しすることを目的としている。
取引所システムや運営ノウハウを提供、現地のインフラ構築を支援
今回の枠組みに基づき、アップビットは取引所の中核となるプラットフォーム技術や運営ノウハウを提供する。具体的には、売買を成立させるマッチングエンジンやリスク管理システム、市場運営に関わる主要インフラの構築を支援する予定だ。
また、資産保管(カストディ)ソリューションなどの分野でのイノベーションを進めるとともに、監視体制やコンプライアンス、報告機能の高度化を目的とした規制技術(RegTech)の強化にも取り組む。
ICExは、インドネシア金融庁(OJK)の監督下にある、同国のデジタル資産エコシステムの中核を担う組織である。同国では「公認取引所・中央清算機関・保管機関」の三層構造による規制枠組みが整備されており、アップビット・インドネシアも主要コングロマリットやグローバル取引所とともに、ICExの設立株主として参画している。
両社は1日に開催された「韓国・インドネシアの強靭な成長のためのビジネスパートナーシップフォーラム」において、本覚書を先立って発表している。このフォーラムには両国の閣僚や政府高官が出席しており、デジタル金融イノベーション分野における二国間協力の重要性が強調された。
アップビットはこれまでも、ベトナムの政府関係者や金融リーダーを招き、高度なデジタル資産取引インフラを紹介するなど、アジア全域で存在感を高めてきた。今回の提携では、インドネシア商工会議所(Kadin)とも将来的な連携を協議しており、韓国の技術力と現地市場の成長性を組み合わせたロードマップの策定を目指す。
インドネシアにおける暗号資産市場の規制整備が進む中、技術力とコンプライアンス実績を持つグローバル取引所との連携は、市場の信頼性向上に寄与することが期待される。今後、両国の協力関係が東南アジア全体のデジタル金融インフラにどのような波及効果をもたらすか、引き続き動向を注視したい。
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