ユニスワップ、独自のイーサリアムL2「Unichain」を正式ローンチ

JinaCoin編集部
12 Min Read
画像はUnichain公式Xより引用

高速処理と低コストを実現、クロスチェーン対応でDeFi拡大へ

分散型取引所(DEX)大手「Uniswap(ユニスワップ)」は11日、独自のイーサリアム・レイヤー2「Unichain(ユニチェーン)」のメインネットを正式に立ち上げた。

ユニチェーンは、高速かつ低コストの取引を実現し、分散型金融(DeFi)アプリの展開、トークンの発行、スワップ、流動性の提供など、多様な用途に対応するイーサリアムのレイヤー2ネットワークだ。ユニスワップ、Circle(サークル)、Coinbase(コインベース)、Lido(リド)、Morpho(モルフォ)を含む約100のアプリやプロトコルがユニチェーン上で構築されている。多くはすでに稼働しており、今後数週間でさらに多くのプロジェクトが展開される予定だ。

高速かつ低コスト

ユニチェーンは「Superchain(スーパーチェーン)」の一部として設計され、イーサリアムのスケーリングを支えるネットワークの一つとなる。スーパーチェーンはOptimism(オプティミズム)が推進するレイヤー2ネットワーク群であり、標準化されたブロックチェーン開発スタックである「OP Stack(OPスタック)」を基盤としている。ユニチェーンもスーパーチェーンに統合されることで、オプティミズムの技術と連携しながらイーサリアムの拡張を図る。

また、ユニチェーンでは1秒のブロックタイムを実現し、イーサリアムL1と比較して約95%低いガスコストを提供する。今後のアップグレードでは、「Rollup-Boost(ロールアップ・ブースト)」と呼ばれる新たなブロック構築プラットフォームを導入し、250ミリ秒のブロックタイムを可能にする計画だ。ロールアップ・ブーストは「Uniswap Lab(ユニスワップ・ラボ)」と「OP Labs(OPラボ)」が共同で開発し、Flashbots(フラッシュボッツ)の技術を活用している。これにより、取引の即時確定やガススループットの向上が実現され、ユーザー体験が大幅に改善される。

クロスチェーン流動性に対応

今年後半にはスーパーチェーンに完全統合され、異なるブロックチェーン間のスムーズな資産移動が可能になる予定だ。スーパーチェーンには、コインベースが開発するレイヤー2「Base(ベース)」や、ソニーグループが手がける「Soneium(ソニューム)」も含まれており、これらのネットワークとの相互運用性が強化されることで、DeFiエコシステム全体の流動性向上が期待される。

分散化を優先

ユニチェーンは、ローンチ時点から分散化を優先しており、許可不要のフォールトプルーフ(Permissionless Fault Proofs)を採用することで、透明性とセキュリティを確保している。さらに、「Unichain Validation Network(UVN、ユニチェーン・バリデーション・ネットワーク)」の導入が予定されており、誰でもUVNノードを運用してブロックを検証できる仕組みが整う。

ブロックチェーン業界は、目まぐるしく変化し続ける競争の激しい市場だ。ユニチェーンは、高速処理や低コスト、クロスチェーン機能を武器に新たな可能性を切り開こうとしているが、競合もまた進化を続けている。技術革新が加速する中で、単なる速度やコスト削減だけではなく、持続的な成長戦略と強固なエコシステムが生き残る鍵となる。ユニチェーンがこの熾烈な競争を勝ち抜けるか、今後の展開に注目が集まる。

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