Uniswap(ユニスワップ)V2とV3の違いは?切り替え方法も解説

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目次

分散型取引所(DEX)Uniswap(ユニスワップ)とは?

Uniswap(ユニスワップ)とは?

分散型取引所Uniswapの基本情報

名称Uniswap(ユニスワップ)
設立年月2018年11月
対応チェーンEthereum、Polygon、Optimism、Arbitrum、Celo、BNB
対応ウォレットMetaMask、Coinbase wallet、WalletConnect
モバイルアプリ未対応(ブラウザを使った取引のみ)
取引方法スワップ取引、イールドファーミング、NFTトレード
レバレッジ倍率未対応
日本語対応あり(32言語に対応)
公式サイトhttps://uniswap.org
公式Twitterhttps://twitter.com/uniswap
公式ブログhttps://uniswap.org/blog
公式Discordhttps://discord.com/invite/FCfyBSbCU5

UniswapはDEX(分散型取引所)と呼ばれる仮想通貨取引所の1つで、Etheriumブロックチェーンで世界最大の取引量を誇ります。2023年5月時点で6種類のブロックチェーンに対応し、独自トークンとしてガバナンストークン「UNI」も発行しています。

Uniswapでは、ETHをはじめとしたイーサリアムチェーン上の仮想通貨トークン(トークン規格:ERC-20)を交換(スワップ)するための取引所として活用されています。取扱銘柄はCEX(中央集権型取引所)のように上場審査がないため、マイナーコインを含め幅広い銘柄の取引が可能です。

ユーザーは公式サイトに行き、MetaMaskなどのウォレットと接続するだけで仮想通貨の交換(スワップ)ができます。このスムーズなスワップ取引を可能にしているのがAutomated Market Makers(AMM)と呼ばれるシステムと、流動性提供者(Liquidity Provider)です。

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Uniswapのこれまでの変遷

Uniswapのこれまでの変遷

Uniswapは2018年11月にローンチし、これまでに3度バージョンアップしています。V2やV3はUniswapのバージョンのことです。公式サイトに行って表示されるのは、2021年5月にローンチされたV3(バージョン3)で、V2(バージョン2)を選択することも可能です。

ただし、流動性プールがV3へ移行したことで、取引高はV2よりV3の方が多くなってきています。V2とV3の違いを紹介する前に、V1からV2、V3にいたるまでのUniswapのこれまでの変遷を簡単に紹介します。

Uniswap V1の概要

Uniswap V1の概要

Uniswap V1は、2018年11月にローンチされました。

DEXではCEXのような中央管理者がいないため、ユーザー間で取引が成立します。しかし、各ユーザーが好きな価格を提示するのでは取引が成立しないため、UniswapではAMM(Automated Market Maker)というシステムを採用しました。これにより、流動性プールに貯められた資金の動的な市場価格が自動で決定され、ユーザーは自由にスワップ取引ができます。

ただし、V1ではETH以外のトークン同士をトレードする場合、一度ETHに変換された上でスワップが行われていたため、スワップ2回分の手数料が発生するという課題がありました。

Uniswap V2の概要

Uniswap V2の概要

V1の課題解決のため、Uniswap V2が2020年5月18日にローンチされます。Uniswap V2では、ETH以外のトークン同士の直接トレードが可能になり、手数料がスワップ1回分で済むようになりました。

さらに2020年9月にはガバナンストークンの「UNI」が発行開始され、総発行枚数10億UNIのうち、一部が過去の流動性提供者を含むコミュニティーメンバーへ配布されています。

また、イールドファーミングが2020年9月18日から開始され、流動性提供の量に比例して「UNI」が報酬として割り当てられました。当時はV2の4つのペアETH/USDT、ETH/USDC、ETH/DAI、ETH/WBTCがイールドファーミングの対象でした。

Uniswap V3の概要

Uniswap V3の概要

V2のバージョンアップ版として2021年5月5日にローンチされたのが、Uniswap V3です。

V2とV3の違いについては次章で詳しく解説しますが、バージョンアップの主な内容は、V2で課題となっていたプールの仕組みについて機能改善が図られたことです。

V2では流動性プールからユーザーがスワップ取引するたびに、取引手数料の一部が報酬として流動性提供者に還元される仕組みでした。しかし、取引手数料が発生しない価格帯に対しても均等に流動性プールが割り当てられていたため、効率の悪いプールの仕組みとなっていました。V3ではこのデメリットが解消されています。

また2021年9月16日には「Auto Router」機能が実装されました。スワップ取引でデフォルトのV3よりV2の方が有利になる場合、自動でV2に切り替わるようになりました。

さらに、2022年11月30日には新たにNFTアグリゲーターがローンチされました。CryptoPunksやBAYC(Bored Ape Yacht Club)など、多数の有名NFTプロジェクト作品が販売されています。

Uniswapのマーケットプレイスはアグリゲーター(集計サイト)であるため、コレクションを検索するとOpenSeaやX2Y2、LooksRareなど各NFT市場のリスティングデータが一括表示され、購入したいNFTを最安値で入手することが可能です。また、最安値で取引できるだけでなく、他のアグリゲーターに比べて最大15%のガス代が節約できるというメリットもあります。

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Uniswap V2とV3の違いについて

Uniswap V2とV3の違いについて

ここではUniswap V2とV3の違いについて解説します。

実をいうと、スワップ取引をする場合、V2とV3はそれほど機能的な違いはありません。「Auto Router」機能が更新されたことで、取引時にバージョンを気にすることなくスワップ取引ができるようになったためです。

「Auto Router」機能はユーザーが指定した通貨ペアに対して、ガス代の最適化をしながらV2とV3の流動性プールの中で最も有利な価格を自動で見つけてくれるため、従来ユーザーが手動でやっていたV2とV3の切替えは不要です。

ではV2とV3の違いとは、一体何なのでしょうか。主に、流動性に関して次の3点で大きな違いがあります。

一つずつ、説明します。

Concentrated Liquidity(集中流動性)の導入

Concentrated Liquidity(集中流動性)の導入

V2において流動性提供者(Liquidity Provider)によって提供された通貨ペアのプールは、急激な価格変動に対応できるように全価格帯に均等に割り当てられていました。しかしステーブルコイン(米ドルと価格連動しているコイン)などは大きな価格変動がありません。

価格変動が少ないコインをペアとしてプールする場合、実際のスワップ取引では一部の価格帯プールしか使われないために、手数料収入が未使用の全価格帯プールにも分散されてしまい資金の効率性が悪い状況にありました。

V3ではこの課題を解決するため「Concentrated Liquidity」という仕組みを導入しています。これにより、全価格帯への流動性提供から任意の価格帯に集中して流動性を提供することが可能となり、資金効率性の改善が図られています。

Concentrated Liquidityの導入によって、流動性提供者(Liquidity Provider)はステーブルコインのようにボラティリティの低い通貨のプール時には資金を狭い範囲に集中して投資し、マイナーコインのようにボラティリティが高い通貨のプール時には提供範囲を広くして投資するなどの選択肢が生まれました。

画像1:Uniswap V2 V3「Concentrated Liquidity(集中流動性)の導入」

イールドファーミング時にもらえるLPトークンの仕様変更

イールドファーミング時にもらえるLPトークンの仕様変更

V2では流動性提供者(Liquidity Provider)にイールドファーミングの報酬としてUniswapの独自トークン「UNI」が貰えていましたが、V3ではイールドファーミング時の各ポジションを表したNFTへ仕様変更されました。

NFTには提供した2つのトークンペアの表示と流動性提供の範囲、手数料が記載され、公式サイトのプール画面で管理できます。

画像2:Uniswap V2 V3「イールドファーミング時にもらえるLPトークンの仕様変更」
Uniswap V3 Mainnet Launch!より引用

手数料収入が固定から変動性に(Multiple Fee)

手数料収入が固定から変動性に(Multiple Fee)

V3では、Concentrated Liquidityという仕組みの導入によって資金効率性が改善されました。さらに流動性提供者(Liquidity Provider)の手数料収入も、V2では0.3%で固定だったものが、V3ではトークンペア毎に0.01%、0.05%、0.3%、1%の4種類(バージョンアップ当初は0.05%、0.3%、1%の3つ)から選択できるようになりました。

画像3:Uniswap V2 V3「Multiple Fee」

流動性提供者(Liquidity Provider)はイールドファーミング時の通貨ペアに合わせて、さきほど紹介したConcentrated Liquidity(集中流動性)の範囲と手数料収入のパーセンテージを組み合わせ、効率の良い運用が可能となっています。これはV2より少ない資金で流動性を提供しても、同じだけの手数料収入を得られる可能性を意味します。

手数料の選択例

ステーブルコインのペアなどを提供する場合、流動性を提供範する囲を狭めてもその価格帯で取引が多く行われる可能性が高い(価格帯から外れるリスクを減らせる)ため、手数料を安くしても資金効率を高めることが可能です。

一方でマイナーコインなどボラティリティが高い通貨をペアにする場合、流動性提供範囲を広くする(リスクをとる)ことで実際の取引がどの価格帯で行われても網羅することができます。代わりに手数料を高くすることで、資金効率性を保てます。

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Uniswap V2とV3の切り替え方法について

Uniswap V2とV3の切り替え方法について

Uniswap V3ローンチ後、デフォルトのインターフェースはV3となりましたが、V2も引き続きサポートされています。ちなみに2023年2月5日時点、仮想通貨分析サイト「CoinGeclo」の24時間取引高ランキング(DEX部門)をみると、Uniswap V3は1位、Uniswap V2が5位にランクインしています。

画像4:Uniswap V2 V3「DEXランキング」
CoinGecko「分散型取引所の24時間取引高ランキング」より引用

スワップ時の切り替えは不要

スワップ時の切り替えは不要

まず、スワップする時にはユーザーがV3とV2を主導で切り替える作業は不要です。ユーザーが指定したスワップの通貨に対して、V2とV3の流動性プールの中からガス代を加味して有利な取引価格を見つけてくれる「Auto Router」機能があるためです。

スワップ取引画面の例

筆者が執筆時点において、LINKをUSDCにスワップする場合に下記のような取引画面になりました。Auto Routerをタップすると最適化された流動性プールの詳細が表示されます。

この時点ではLINKからUSDCへのスワップは、V3の流動性プールからLINK/WETHとWETH/USDCに分割してスワップするというのが一番ユーザーにとって有利な価格で取引できるルートということです。

複数のプールが表示されていないのであれば、LINK /USDCの流動性プールから取引するのがユーザーにとって最も有利な価格で取引ができることを指します。

画像5:Uniswap V2 V3「スワップ取引画面の例」

イールドファーミング時の切り替え

イールドファーミング時の切り替え

次に、イールドファーミングする時にインターフェースを切り替える方法について説明します。イールドファーミングするには、「プール」をタップして流動性提供の取引画面に行きます。そのまま「新しいポジション」をタップすればV3で流動性提供を行うことができ、通貨ペアが選択できます。

画像6:Uniswap V2 V3「イールドファーミング1」

V2に切り替える場合、「もっと見る」をタップするとメニューに「V2の流動性」が表示されるので、これをタップするとV3からV2に切り替えができます。「ペアを作成」か「V2の流動性を追加」をタップすると、通貨ペアを選択でき、V2でのイールドファーミングが可能です。

画像7:Uniswap V2 V3「イールドファーミング2」

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Uniswap V2とV3イールドファーミング利用時の注意点

Uniswap V2とV3イールドファーミング利用時の注意点

Uniswap V2とV3を利用する場合、以下のような注意点があります。

ひとつずつ、説明します。

イールドファーミングする時には2つの通貨を同額で預ける必要あり

イールドファーミングする時には2つの通貨を同額で預ける必要あり

イールドファーミングする時はLPトークンという、2つの通貨を50:50の比率で作ったペアを流動性プールに預け入れます。ETHなどをメタマスクに送金しただけでは足りないため、送金した仮想通貨の一部をUnuswap上でさらに他の通貨にスワップするか、別途他の通貨を送金して用意します。

V2の流動性プールはV3に預け直す方が有利かもしれない

V2の流動性プールはV3に預け直す方が有利かもしれない

V3のリリースによって取引高はV2よりV3の方が10倍近く多くなっています。取引高の大部分がV3に移行されてきていることを考えると、取引から発生する手数料収入に関してもV3の方が多い可能性があります。

集中流動性が可能になっているのですでにV2でプールをしていても、V3へ移行する方が手数料収入を得やすいかもしれません。

手数料収入が入らない機会損失が生まれる可能性

集中流動性や「Auto Router」機能の実装で手数料収入が入らない機会損失が生まれる可能性がある

流動性提供者(Liquidity Provider)がイールドファーミングした時にペア通貨のプールする価格帯を限定していた場合、以下の可能性があります。

  • 実際の取引価格が流動性プールの取引価格帯の外にあり、集中流動性で取引価格帯を限定したために取引手数料が発生しない
  • 「Auto Router」機能でユーザーにとって最も有利なスワップ取引が分割になる場合、実際の取引価格から外れなくても プール自体が選択されない。例えばLINK/USDCのスワップがLINK/WETHとWETH/USDCに分割される場合など

以上のケースでは、預けている通貨ペアが使われないので流動性提供者(Liquidity Provider)に手数料収入が入りません。

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Uniswap V2とV3の違いに関するQ&A

Uniswap V2とV3の違いに関するQ&A

UniswapV2とV3の違いに関する質問を、以下のQ&A形式でまとめます。

UNIはイールドファーミングの報酬として今後はもらえないのですか?

V2ではイールドファーミングの報酬としてUNIを貰えていましたが、今後また報酬として貰えるかは不明です。UNIはガバナンストークンとしての役割があり、スワップ取引で入手できます。

今後UNIは仮想通貨業界やDEXの需要の高まり、Uniswapの動向によっては価格上昇もありえます。

すでにV2でプール(流動性提供)している場合、V3への移行はできますか?

可能です。V3へ移行する方法は次の通りです。

V2からV3へプール(流動性提供)を移行する方法

  1. V3のプール画面の「もっと見る」からドロップダウンメニューで表示される「移行」をタップする。
  2. 「V2の流動性を移行」の画面で既存の流動性について「移行」をタップすれば、V2のプールを取り出してV3のプールに移行が完了します。
画像8:Uniswap V2 V3「V2からV3へプール(流動性提供)を移行する方法」

Uniswapの今後の動向は?

これまでV1からV3までアップデートがされてきたUniswapですが、現時点でV4をローンチする予定はありません。

Uniswap V3ではBSCチェーン(BNB Smart Chain)へブリッジする計画を進めており、2023年1月31日LayerZero、Celer、deBridge、Wormholeという4つの候補の中からトークンブリッジ先を決定するコミュニティ投票が行われ、Wormhole(ワームホール)が投票数のうち62.31%を獲得しました。

今後の展開としては最終ガバナンス投票が行われ、可決されるとBSCチェーン(BNB Smart Chain)がEthereum、Polygon、Optimism、Arbitrum、Celoに続く6番目のチェーンとしてUniswapに追加される予定です。

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まとめ

今回は、UniswapのV2とV3の違いについて、これまでの変遷とともに詳しく解説しました。内容をおさらいすると以下の通りです。

V2とV3の主な違い
  • Concentrated Liquidity(集中流動性)の導入で資金効率性が向上した
  • イールドファーミングの報酬としてもらえていたUNIがNFTへ仕様変更され、通貨ペアや流動性提供の価格範囲、手数料収入がNFTに記載されるようになった
  • 手数料収入が0.01%、0.05%、0.3%、1%の4つからの選択制(Multiple Fee)に変更され、通貨ペアなどに合わせた柔軟な設定が可能になった

スワップ取引をするだけならV2でもV3でもあまり違いは実感できませんが、イールドファーミングで流動性を提供して手数料収入を狙うユーザーにとって、V3は嬉しいバージョンアップが盛りだくさんです。

スワップ取引やイールドファーミング、NFT売買ができるUniswapは、今後BSCチェーン(BNB Smart Chain)にブリッジする可能性が高く、今後も期待が持てるDEXです。

参考文献

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#UniSwap
#UniSwapV2V3
#ユニスワップV2V3

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この記事を書いた人

JinaCoin編集部です。JinaCoinは、株式会社jaybeが運営する仮想通貨情報専門メディアです。
正確性・信頼性・独立性を担保するため編集ガイドラインに沿って、コンテンツ制作を行なっています。
一般社団法人 ブロックチェーン推進協会所属

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