イーサリアムのL2中心ロードマップの意義を強調
大手DEX(分散型取引所)「Uniswap(ユニスワップ)」の創設者であるヘイデン・アダムズ氏を中心に展開された、イーサリアムのスケーリングとDeFi(分散型金融)における役割に関する議論が注目を集めている。その中で同氏は20日、「レイヤー1でDeFiを行う計画であれば、Solana(ソラナ)は(イーサリアムよりも)優れたロードマップ、チーム、アプローチを持っている」と言及した。
議論の発端は、Uniswap Labs(ユニスワップ・ラボ)が開発したイーサリアムのレイヤー2「Unichain(ユニチェーン)」の公式Xアカウントによる「Unichain is for DeFi(ユニチェーンはDeFiのためのものだ)」というポストだ。
これに対して暗号資産(仮想通貨)メディア「Bankless(バンクレス)」共同創設者のデイビッド・ホフマン氏は「The Ethereum L1 is for DeFi(イーサリアムのレイヤー1こそがDeFiのためのものだ)」と反応。L2を否定するものではないが、L1をDeFiの中核として重視すべきだという立場を示したものと受け取れる。
対する返答が、アダムズ氏による冒頭のポストである。そして、「イーサリアムは5年以上にわたり、レイヤー2中心・水平スケーリングのロードマップに取り組んできた。最終段階に入った今、これを放棄しようとする理由があるのか?」と問いかけた。これは、イーサリアムが長年取り組んできたレイヤー2を活用したスケーリング戦略とは異なる、「L1自体を強化してDeFiを支える」という方向に進むのであれば、現状ではイーサリアムよりもソラナの方が適しているという主張だ。イーサリアムコミュニティ内で見られるレイヤー1の役割に関する議論の揺れに、疑問を呈したものと考えられる。
さらにアダムズ氏は別のXユーザーへの返信で「私はレイヤー1のスケール改善に大賛成。ロールアップ中心のロードマップでは実際にそれが求められているから」としたうえで、さらなる批判を展開した。
「私が反対しているのは、イーサリアムが『ロールアップ中心のロードマップ』上にあるとしながらも、すべての重要なこと(DeFiやアプリケーション)は依然としてL1上に存在しなければならないと主張したり、『アラインメント』というよくわからない理由(原文:”because something something alignment”)でレイヤ-2をしっかりサポートしない、といった混乱した見解だ」。
アダムズ氏は、「イーサリアムが膨大な需要を満たすためにスループットを何桁もスケールさせながら、アプリとユーザーにMEV(最大抽出可能価値)を返し、ブロックタイムを0.2秒にするトランザクション順序付けシステムに移行できれば、私は興奮するだろう」と述べたうえで、「レイヤー1よりもレイヤー2の方がこれを達成するのにずっと近づいている」と主張した。
アダムズ氏の一連の発言は、イーサリアムが長年進めてきたレイヤー2中心のスケーリング戦略を一貫して実行することの重要性を訴えたものだ。レイヤー1の拡張を進めるソラナ、レイヤー2によるスケーリングを目指すイーサリアム、という両者の違いを明確に示したものとも言えるだろう。
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