ガバナンス移行と技術検証を段階的に実施
DAO(分散型自律組織)である「Taiko DAO(タイコダオ)」は8日、同組織の主導するレイヤー2プロジェクト「Taiko(タイコ)」のメインネットを正式にローンチした。本ローンチは、公式アナウンスメントを通じて明らかにされたもので、Ethereum(イーサリアム)のスケーリング解決策として注目を集めるZK(ゼロ知識)技術を活用している点が大きな特徴だ。
タイコは、ZK-rollup方式を採用したレイヤー2プロトコルであり、イーサリアムとの高い互換性を保ちながら、トランザクション処理をオフチェーンで行う仕組みを持つ。ZK技術により、メインチェーン上の安全性を維持しつつ、トランザクション手数料の削減や処理速度の向上を図る。こうした設計によって、開発者が既存のスマートコントラクトやツールを流用しやすい点も注目されている。
タイコダオは、コミュニティ主導のガバナンスによるプロジェクト運営を掲げている。このガバナンスモデルにより、プロトコルの更新や各種方針の決定が、投票などを通じて参加者同士の合意を得る形で進められる。今回のメインネット公開に伴い、タイコダオはさらなるエコシステム拡大を期待しており、開発者やユーザーがプロジェクトに参加しやすい土壌を整える意向を明確に打ち出している。
メインネットが本格稼働することにより、DApps(分散型アプリケーション)の展開が従来よりも容易になると見られている。これは、高速かつ低コストなレイヤー2の特性によって、開発者だけでなくエンドユーザーも恩恵を直接受けられるようになることを意味している。こうした設計は、イーサリアム主チェーンでのガス代高騰やネットワーク混雑の緩和につながり、エコシステム全体の拡充にも貢献すると期待されている。
タイコでは、今回のメインネットローンチに合わせて、より積極的なコミュニティ参加を呼びかけている。また、今後のプロトコル改良に向けた意見交換や技術検証の場としても、DAO組織のガバナンスモデルが活用されていく見通しだ。
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