ソラナ財団、デリゲーション支援見直し──分散化促進へ新方針発表

伊藤 将史
11 Min Read
画像はSolana Foundation公式サイトより引用

依存バリデーターの除外開始

ソラナ財団は23日、ネットワークの分散化と長期的な健全性を高めるため、同財団の「Delegation Program(デリゲーションプログラム)」におけるバリデーターの参加・除外に関する新しい方針を発表した。

ここでいうバリデーターとは、「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)型」のブロックチェーン(ソラナもその一種)において、取引の検証や新しいブロックの承認を行い、ネットワークの安全性と整合性を維持する重要な役割を担うコンピューター(ノード)またはその運営者を指す。

バリデーターは通常、ネットワークのネイティブトークン(ソラナの場合はSOL)を自ら、あるいは他のトークン保有者から委任される形で「ステーク(Stake)」、つまりネットワークに預け入れることでその役割を担う。正確に責務を果たすことで、ネットワークの安全確保に貢献した対価として、新たなトークン発行による報酬(ステーキング報酬)や取引手数料の一部を受け取ることが可能だ。

ソラナ財団のデリゲーションプログラムは、ネットワークの分散化、信頼性、パフォーマンスの最大化を目的として、特に新規参入や比較的小規模なバリデーターを支援するために、財団が保有するSOLトークンをバリデーターに委任(デリゲート)する取り組みである。

今回発表された新方針は、ソラナ財団のデリゲーションプログラムに新しいバリデーターが1者追加されるごとに、特定の基準を満たす既存のバリデーター3者をプログラムから除外するというものである。

除外の対象となるのは、以下の基準をすべて満たすバリデーターとされている。

  • ソラナ財団からのデリゲーション(SOLのステーク委任)をメインネットで18ヶ月以上受けている。
  • ソラナ財団以外の外部ステーク(コミュニティなどからのステーク)が1,000 SOL未満である。

つまり、活動の大部分をデリゲーションプログラムに依存しているバリデーターを排除する方針と言えるだろう。

今回の新方針の目的については、以下のとおり説明されている。

  • 財団依存の低減:ソラナ財団からのステークのみに大きく依存しているバリデーターの数を減らす。
  • コミュニティ支援の促進:積極的に外部(コミュニティなど)からのステークを集め、支持を得ているバリデーターを奨励し、報いる。
  • 分散化と効率性の維持:ネットワーク全体の分散化レベルと運用の効率性を維持・向上させる。

この方針変更は、ソラナネットワーク上でバリデーターを運営する主体に対し、財団からの支援だけに頼るのではなく、自らコミュニティからの信頼と支持(外部ステーク)を獲得することへのインセンティブを強化するものとなる。長期的には、財団への依存度が低く、より多様で自律的なバリデーター群によって支えられるエコシステムの構築を目指す方針を示したものといえるだろう。

バリデーターの自律性とコミュニティからの支持獲得を促すこの施策が、ソラナのバリデーター数にどのような影響を与えるのか、そしてエコシステムのさらなる発展にどう繋がるのか、注視しよう。

関連:トランプ関税90日停止でソラナ含む仮想通貨が上昇、高騰のカギはSolaxyに
関連:仮想通貨Solana(ソラナ)・SOL(ソル)とは?特徴と将来性を徹底解説

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

Share This Article
2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA