機関投資家のアクセス拡大と市場の正当性を評価
「Ripple(リップル)」は24日、同社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏が暗号資産(仮想通貨)ETFに対する市場の興奮について解説する動画を、同社が制作している1分動画「Crypto In One Minute」の特別エピソードとして公開した。
「Why are crypto ETFs exciting?(なぜ仮想通貨ETFは注目されている?)」という質問に対して、ガーリングハウス氏は、機関投資家によるアクセス向上と市場の正当性確立が、主な要因であると指摘している。
1. 機関投資家のアクセス向上
第一の要因として、ガーリングハウス氏は機関投資家による仮想通貨への直接的なアクセスがこれまで困難だった点を指摘した。
「一つは、非常に長い間、機関投資家、主にウォール街で取引している投資家は、実際に仮想通貨に直接アクセスすることができませんでした」とガーリングハウス氏は述べる。これまでの選択肢としては、「自己管理(セルフカストディ)をするか、取引所に口座を開設するしかありませんでした。そして、さまざまな理由から中央集権型の取引所を好まない人々もいます」と、従来のアクセス方法の限界に言及した。
その上で、ETFの登場がこの状況を大きく転換させたと強調する。「(仮想通貨ETFによって)初めて、機関投資家がウォール街で直接仮想通貨を取引できるようになったのです。これまで参入できなかった資金、それがエンダウメント(大学基金など)であれ、年金基金であれ、あるいはミューチュアルファンド(投資信託)でさえ、今ではそれが可能になったのです」と、ETFが機関投資家の資金流入の新たな扉を開いたと説明した。
2. 制度化による仮想通貨業界全体への波及効果
第二の要因として、ガーリングハウス氏はETFが仮想通貨業界全体の「制度化」を促進し、市場の正当性を高める点を挙げた。ここでいう「制度化」とは、仮想通貨が単なる投機的な対象としてだけでなく、既存の金融システムと同様の規制や監視の下で扱われるようになることを指していると思われる。
具体的な事例としてビットコインETFの成功に言及。「ビットコインETFが、史上最速で資産10億ドルに達したETFであったことは驚くには当たらないでしょう」と、その記録的な資金流入の速さを仮想通貨ETFの成功事例として語った。
さらに、「そして今日、私は(ビットコインETFが)最終的に金ETFに近づくだろうと思います」と、ビットコインETFが将来的に金ETFの市場規模に迫るとの見解を示し、解説を締めくくった。
リップル社の公式Xアカウントは、ガーリングハウスCEOの動画と共に、先週、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)でXRP先物の開始と、ナスダックでのXRP先物ETFのローンチに言及し、「市場が成熟し、仮想通貨へのエクスポージャーが拡大していることは明らか」とコメント。仮想通貨ETFなどを通じて、機関投資家が市場に流入することを歓迎する意思を示した。
XRPについては、米証券取引委員会(SEC)に現物ETFが複数申請されており、今後の動向が注目されている。今回公開された動画は、XRP現物ETF承認と、さらなる市場拡大への意欲を示したものと言えるだろう。
関連:米SEC、XRP・LTC現物ETFの審査を開始──TRXステーキングETFも申請受理
関連:仮想通貨リップル(XRP)とは?特徴や将来性、気になる裁判状況を詳しく解説!