この記事では、現実資産(RWA)のデリバティブ取引が可能な分散型取引所(DEX)「Ostium」の使い方を解説します。Ostiumではデリバティブ取引のほか、予測市場データを活用した自動取引や流動性の提供も可能です。使い方は画像付きで解説するので、ぜひ手順を参考にしながら利用を進めてみてください。
Ostium(オスティウム)とは?

取引所名 | Ostium(オスティウム) |
サービス開始 | 2024年10月(メインネット公開) |
対応ネットワーク | Arbitrum |
提供サービス | デリバティブ取引 ストラテジー 流動性の提供 |
取扱通貨数 | 18種類 |
取引手数料 | 仮想通貨ペア:0.03〜0.1% 非仮想通貨ペア:0.05% |
入金手数料(スマートアカウント) | 無料 |
出金手数料(スマートアカウント) | 2 USDC |
最大レバレッジ | 200倍 |
追証 | なし |
API対応 | あり |
日本語対応 | なし |
対応デバイス | パソコン・スマホ(ブラウザ) |
公式サイト | https://www.ostium.io/ |
公式X | https://x.com/ostiumlabs |
公式Discord | https://discord.com/invite/44hxSkfy9a |
招待コード | OKKMI |
Ostium(オスティウム)は、Arbitrum上に構築された分散型取引所(DEX)です。
デリバティブ取引をメインとしており、仮想通貨ペアではビットコインとイーサリアム、ソラナの3種類に対応。その他、外国為替や株価指数などの現実資産をオンチェーン上で取引することも可能です。
Ostiumでできること
- 最大レバレッジ200倍のデリバティブ取引
- 予測市場データを用いた自動取引戦略
- 流動性提供からの手数料・清算報酬の獲得
Ostiumは2025年4月、累計取引量が40億ドル(約5,710億円)を突破。TVL(預かり資産)は6,000万ドル(約85億円)を上回るなど、Arbitrum上に展開する競合プラットフォームと比較しても圧倒的な存在感を放っています。
関連:Arbitrum基盤DEX「Ostium」、累計取引量40億ドル突破──TVLも6,000万ドル超に
今後、Ostiumはコミュニティ主導のガバナンスへ移行予定。プラットフォームの運営体制といった意思決定への参加を可能にするガバナンストークンの発行が期待されており、投資家や既存DEXユーザーからの注目を集めています。
以下では、Ostiumの特徴について解説します。ぜひ気になる項目をタップしてチェックしてみてください。
オンチェーン化された現実資産の取引
Ostiumの最大の特徴が、オンチェーン上で現実資産のデリバティブ取引ができる点です。対応通貨ペアは以下のとおり。仮想通貨はもちろん、外国為替や株価指数などの多様な資産を活用した取引が可能です。
Ostiumの対応通貨ペア
- 外国為替:USDJPY・EURUSD・GBPUSDなど
- コモディティ:WTI Oil・Gold・Silverなど
- 株価指数:S&P500・Dow Jones・日経225など
- 仮想通貨:BTC・ETH・SOL
現実資産の取引価格については、高速かつ信頼性の高いオラクルを活用して取得。ユーザーはCFD(差金決済取引)に似た仕組みで、現実資産の価格変動への仮想的なアクセスや取引を進められます。
仮想通貨ペアの対応数が少ない点がネックですが、多様な資産を扱っている点は他のDEXと差別化を図る大きなポイントです。仮想通貨ペアに縛られない取引を進めたい方にもおすすめなDEXとなっています。
Tips
非仮想通貨ペアに関しては各市場の開閉の関係上、土日・祝は取引を進められません。仮想通貨ペアは市場の開閉に影響されないため、24時間365日の取引が可能です。
ユーザーレベルに応じた2つの接続方法
Ostiumはユーザーレベルに応じ、Web3ウォレット・スマートアカウントといった2種類の接続方法に対応しています。それぞれの接続方法の違いは以下のとおりです。
Web3ウォレット | スマートアカウント | |
---|---|---|
対象ユーザー | DEXのネイティブユーザー | Web3初心者 |
ログイン方法 | Arbitrum対応のウォレット | メールアドレス |
ガス代負担 | ユーザー負担(ETH) | Ostiumが負担 |
資金管理 | 自身で管理 | Privy経由で管理 |
Web3ウォレットは秘密鍵を自身で管理するため、資産を完全にコントロールできる点がメリット。対してスマートアカウントは間接的な資産管理になりますが、ガス代負担の必要がない点がメリットです。
自身の知識や経験、何を重視するかによって最適な接続方法を選択できます。DEX自体を初めて利用する、もしくは仮想通貨歴が浅いといった方は、スマートアカウントを用いた接続がおすすめです。
Tips
スマートアカウントはメールアドレスのほか、Goolgeアカウントを使ったウォレット作成も可能です。ぜひどちらかお好きな方法でOstiumとの接続を進めてみてください。
透明性の高い取引手数料体系を実現
Ostiumは取引状況に応じた適切な手数料が設定される点も特徴です。ユーザー負担が必要な取引手数料は、仮想通貨・非仮想通貨ペアによっても異なります。
仮想通貨ペアの場合、取引におけるレバレッジと未決済建玉の状況に応じて、メイカー・テイカーのいずれかに分類されます。一般的に言うメイカー・テイカーとは意味合いが異なる点に注意が必要です。
条件 | 手数料負担 | |
---|---|---|
メイカー | ・レバレッジが20倍未満 ・取引により未決済建玉の偏りが減少 | 0.03% |
テイカー | ・レバレッジが20倍以上 ・取引により未決済建玉の偏りが増加 | 0.1% |
一方、非仮想通貨ペアの取引手数料は一律0.05%で固定されています。実際にどの程度の手数料負担が必要になるかについては、デリバティブ取引の注文画面で確認することが可能です。
Tips
取引手数料の請求タイミングは、ポジション開設時の1度のみです。他の仮想通貨取引所やDEXで必要になる開設・決済の2回分の手数料がまとめて請求される形になっています。
エアドロップ期待のポイントプログラム
Ostiumは3月31日より、「Ostium Points Program」を開始しました。このプログラムでは、ユーザーの行動に応じてスコアやポイントを付与。獲得したスコアは毎週終了時にポイントへ変換されます。
ユーザー行動の一覧
- 友達紹介:Ostiumへ友達招待するとスコアが加算
- 取引:取引量に応じてスコアが加算
- 流動性提供:流動性提供に応じてスコアが加算
- オープンソース貢献:バグ報告等でポイントが加算
ポイントの使い道については明らかになっていません。ですが、SNS上の仮想通貨ユーザーの間では独自トークンのエアドロップにつながるのではとの期待が高まっています。
DEXにおいては過去に、Hyperliquid(ハイパーリキッド)が大規模なエアドロップを実施。億万長者が続出したことから、OstiumをはじめとしたDEXのエアドロップは近年注目を集めています。
関連:Hyperliquid、「HYPE」エアドロップで億万長者が続出
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Ostiumを使う前の準備【初心者向け】
Ostium利用前の準備
- 仮想通貨取引所の口座開設
- 仮想通貨取引所でUSDCを購入
- スマートアカウントの作成
Ostiumを使う前の必要準備は上記のとおりです。ここでは、上記手順について詳しく解説します。なお、すでに必要な手順を済ませている方は、「Ostiumの使い方」に進んでください。
STEP1:仮想通貨取引所の口座開設
Ostiumで取引する際の元手通貨準備のため、仮想通貨取引所の口座開設を進めます。ここで準備する口座は、国内取引所と海外取引所の2つです。当サイトでは以下、各種取引所の利用をおすすめしています。
おすすめ国内仮想通貨取引所
おすすめ海外仮想通貨取引所
上記の仮想通貨取引所は、それぞれが持つ強みが異なります。取扱通貨のバリエーションも重要ですが、コスト面や操作性なども重視して仮想通貨取引所選びを進めてみてください。
関連:国内仮想通貨取引所キャンペーン情報総まとめ【2025年最新】
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STEP2:仮想通貨取引所でUSDCを購入
国内・海外取引所を活用して、以下の手順で仮想通貨「USDC(USD Coin)」を購入します。
USDCの購入手順
- 国内取引所で元手通貨を購入
- 海外取引所へ元手通貨を送金
- 元手通貨を使ってUSDCを購入
海外取引所への送金コストを抑えたい場合、送金に適した「XRP(リップル)」を元手通貨に選ぶのがおすすめです。なお、GMOコインであれば送金手数料が無料なため、余計なコスト負担は必要ありません。
元手通貨の送金後、海外取引所が提供する「現物取引」、もしくは現物取引よりも簡素化された「変換機能」を活用してUSDCの購入を進めてください。
STEP3:スマートアカウントの作成
続いて、Ostiumでスマートアカウントの作成を進めます。まずは以下リンクから、Ostium公式サイトにアクセスしてください。
Ostium公式サイトアクセス後、画面上部の「Connect」をタップ。アカウント作成画面でメールアドレスを入力後、「Submit」をタップしてアカウント作成を進めます。

メールアドレス宛に認証コードが届きます。その後、Ostium画面に戻って認証コードを入力してください。

Welcome画面が表示されるので「Next」をタップ。スマートアカウントへの入金アナウンスが表示されるので、ここでは一旦「Skip」をタップしてアカウント作成を完了させてください。

【補足】既存のウォレットを利用する場合
仮想通貨ウォレットを使ってOstiumを利用する際は、以下の手順で準備を進めてください。
仮想通貨ウォレットでの準備手順
上記手順の完了後、Ostium公式サイトでウォレット接続を進めます。画面上部の「Connect」をタップ後、「Continue with a wallet」をタップします。

ウォレット一覧から「MetaMask」をタップ後、再度「MetaMask」を選択します。

メタマスクが起動するので「接続」をタップ後、Ostium画面から「Sign with your wallet」をタップします。

メタマスクでサインインを完了すれば、ウォレット接続完了です。Ostium画面の上部でウォレットアドレスが表示されていることを確認してください。

Ostiumの使い方
ここではOstiumの具体的な使い方を解説します。それぞれ画像付きで解説しているので、ぜひ下記の項目をタップして手順を参考にOstiumを利用してみてください。
スマートアカウントへの入金
スマートアカウントは以下、3種類の方法による仮想通貨入金に対応しています。
スマートアカウントの入金方法
- 一般的な仮想通貨送金
- 仮想通貨取引所と連携した送金(Coinbase・Binance・Bitfinex)
- クレジットカードを使った入金(VISAのみ)
利便性や低コストを意識するなら、一般的な仮想通貨送金がおすすめです。入金対応通貨はUSDC・USDTを含む9種類、対応ネットワークはArbitrum・Ethereumなどを含む5種類となっています。
ここでは、準備したUSDCを使ってスマートアカウントへ入金を進めてみます。
まずは、画面上部の「Fund」をタップ。Your sourceから「Transfer Crypto」を選択後、Tokenで準備した「USDC」を選択。Chainで「Arbitrum」を設定すると専用の入金アドレスが表示されます。

あとは入金アドレスを使い、仮想通貨取引所やウォレットからArbitrum経由でUSDCを送金するのみです。送金後、画面上部のウォレットアドレスをタップし、入金反映されたかを確認してください。

Tips
最低入金額は10ドルの設定なので、10USDC以上で送金作業を進めてください。
スマートアカウントからの出金
スマートアカウントからの出金はUSDC、なおかつArbitrumネットワークのみの対応です。
出金はホーム画面からウォレットアドレスをタップ後、「Withdraw」をタップ。出金数量を設定後、出金先のウォレットアドレスをコピペします。あとは「Withdraw」をタップすれば、出金作業完了です。

Tips
スマートアカウントからの出金手数料として、2USDCが必要になる点に注意してください。
デリバティブ取引(レバレッジ取引)
デリバティブ取引では仮想通貨をはじめ、外国為替や株価指数など18通貨ペアの取引が可能です。ただし、取引通貨ペアによって最大レバレッジ倍率は以下のように異なります。
取引通貨ペア | 最大レバレッジ |
---|---|
仮想通貨・株価指数 | 100倍 |
外国為替 | 200倍 |
WTI Oil・Copper | 50倍 |
Silver | 100倍 |
Gold | 150倍 |
ここでは実際に、BTCUSDペアを例にデリバティブ取引の手順を解説します。まず画面上部のメニューアイコンから「Trade」を選択し、デリバティブ取引画面にアクセスしてください。

次に、取引通貨ペアの設定を進めます。画面上部の通貨ペアをタップ後、「Crypto」タブをタップ。一覧表示された通貨ペアから「BTC/USD」を選択してください。

取引通貨ペア設定後、注文設定を進めます。注文画面の各種設定項目は、以下画像や一覧表のとおりです。

① 注文方向 | Long・Shortから選択 |
② 注文方法 | Market・Limit・Stopから選択 |
③ 注文数量 | USDCもしくは取引通貨で選択 |
④ レバレッジ | 任意のレバレッジ倍率を設定 |
⑤ TP / SL | 利確・損切ラインを任意で設定 |
注文設定完了後、「Buy」または「Short」をタップします。確認画面が表示されるので「Confirm」をタップして注文完了です。

ポジションの決済方法は?
注文画面の下に保有中のポジション情報が表示されます。ポジションの「Action」から「Close」をタップ。決済数量を設定して「Close」をタップすれば決済完了です。

ストラテジーズ(取引戦略)
ストラテジーズはPolymarketが提供する予測市場データを活用し、自動的な取引を行える機能です。イベントが市場に与える影響に注目し、その予測を取引戦略に結びつけた高度な取引を進められます。
例えば、「〇〇というイベントが発生する確率が△△になったら、BTC/USDをロングする」といった設定が可能。自動設定しておくことで、チャンスを逃さずに効率良く取引を進められます。
ストラテジーズの注意点
ストラテジーズ機能は執筆時点で調整中のため、現状は利用できません。ここではストラテジー画面の見方や簡単な扱い方について紹介します。
ストラテジーズを利用する際は、まず画面上部のメニューボタンをタップ。表示されたメニューから「Strategies」をタップします。

次に、興味のあるイベントをタップして選択。画面下でイベントの発生確率や取引通貨ペア等の注文設定を進めます。「IF PROBABILITY OF」で設定したイベント確率を満たすと、自動的に取引が開始される仕組みです。

設定項目の解説
- IF PROBABILITY OF項目:
任意のイベントを指定し、「greater than(設定確率より大きいなら)」、「loss than(設定確率より小さいなら)」のどちらかを選択。その後、イベントの発生確率を設定します。 - THEN項目:
設定したイベント発生確率に達した場合の自動取引設定を進めます。ここで設定する項目はポジション方向・取引通貨ペア・取引数量・取引レバレッジの4つです。
流動性の提供(Vault)
Vault機能ではOstiumのマーケットメイキングに対し、USDCを流動性として提供できます。
USDCを提供すると同価値のOLPトークン(預かり証)が付与される仕組み。Ostiumで発生した取引手数料や清算報酬などの利回りがOLPトークンへ蓄積されます。
Tips
流動性を提供する際、USDCは任意で最長365日のロックが可能です。ロックを行うことでOLPトークンのミント価格が割引され、利回り報酬の増加といったメリットがあります。
ここでは実際に、USDCを使って流動性提供を進めてみます。まずは画面上部のメニューボタンをタップ。メニュー一覧から「Vault」をタップします。

Depositタブから入金数量と任意でロック期間を設定し、「Deposit USDC」をタップすれば流動性提供完了です。USDCの入金後、Vault画面上部の情報にUSDCの提供数量や獲得報酬が表示されます。

流動性を解除する方法は?
Vault画面から「Withdraw」タブを選択後、引き出し数量を設定すれば流動性を解除できます。

ただし、USDCを引き出す際は流動性提供時の担保比率に応じて待ち時間が発生する点に注意です。待ち時間については以下のとおり。引き出し期間の終了を確認して流動性解除を進めてください。
- 担保比率120%以上:3日間(3エポック)
- 担保比率110%以上:6日間(6エポック)
- 担保比率110%以下:9日間(9エポック)
ポートフォリオ機能
ポートフォリオ機能では、Ostiumでの取引状況や流動性提供などの詳細情報を確認できます。画面上部のメニューアイコンから「Portfolio」を選択すれば、以下のような画面が開きます。

Overviewタブでは、デリバティブ取引における損益率や取引ボリュームなどを参照できます。またデリバティブ取引の情報のみならず、流動性提供によるロック数量や獲得報酬等の確認も可能です。
また、Positionsタブでは現在保有しているポジションの損益や勝敗数などが表示されます。その他、LimitやStopで予約している注文状況、これまでのデリバティブ取引の履歴の確認も進められます。
招待コードの取得
ポイントプログラムにより、Ostiumへの友達招待を通じたスコア獲得が可能です。招待された友達がポイントを獲得すると一部が招待者へ付与。また、被招待者は取引スコアが5%アップするので、両者にメリットのある仕組みになっています。
画面上部の人型アイコンをタップし、画面下の「Copy Link」から招待コード(リンク)をコピーできます。あとは、コピーした招待コードをSNS等で友達と共有するのみです。

Tips
「Referral Stats」タブを選択すれば、招待状況や友達の取引ボリューム等を確認できます。招待数に限りはないため、ぜひ友達招待を進めてスコア獲得を目指してみてください。

獲得スコア・ポイントの確認
取引や友達招待等で獲得したスコア・ポイントは、メニューの「Points」からチェックできます。「Your Total Points」からは獲得ポイント、「Your Score this Week」で今週獲得したスコア数の確認が可能です。

ポイントプログラムでは、毎週50万ポイントがOstiumユーザーに割り当てられています。エアドロップ狙いの方は、ぜひ取引量や友達招待数などを拡大して積極的にスコア・ポイント獲得を狙ってみてください。