RWAトークン化を加速する「Ondo Catalyst」始動
RWA(現実世界資産)トークン化プラットフォーム「Ondo Finance(オンド・ファイナンス)」は4日、大手暗号資産(仮想通貨)ベンチャーキャピタル「Pantera Capital(パンテラ・キャピタル)」の支援を受け、2億5,000万ドル(約362億円)規模の戦略的投資計画「Ondo Catalyst(オンド・カタリスト)」を立ち上げることを発表した。
オンド・ファイナンスは、米国債やマネーマーケットファンドといった現実世界の金融資産をトークン化し、ブロックチェーン上で利用可能にすることに特化したDeFi(分散型金融)プラットフォームである。主に機関投資家を対象に、安定した利回りを提供する「OUSG(米国短期国債ファンドのトークン)」などの商品を展開しており、伝統的な金融とDeFiの世界を繋ぐ主要なプロジェクトの一つとして知られている。
今回発表されたオンド・カタリストは、現実世界資産のトークン化を加速させることを目指し、オンド・ファイナンスのエコシステム内で開発を行うプロジェクトに投資を行う。一方、パートナーであるパンテラ・キャピタルは、その深い専門知識と戦略的資本を活かし、独自の判断でプロジェクトの評価・投資を行い、オンチェーン資本市場の成長をサポートする役割を担うようだ。投資対象は、プロジェクトの株式やトークンになるとされている。
オンド・ファイナンスの創設者兼CEOであるネイサン・オールマン氏は、今回の発表について次のように述べている。
「オンド・カタリストによって、我々はクローズドで許可制のシステムから、オープンなオンチェーン経済への移行を加速させています。トークン化された資産の現実的な実用性を解き放つインフラとアプリケーションをサポートすることで、我々は世界中で資本が移動する方法を再構築する手助けをしています」
また、パンテラ・キャピタルのマネージングパートナーであるポール・ベラディッタキット氏も「伝統的な金融資産のトークン化は、電子取引以来のインフラにおける最大のシフトであり、オンドは適切な牽引力とパートナーと共にその最前線にいます。この取り組みは、現代のブロックチェーンベースの金融時代にとって極めて重要なものになるでしょう」と期待を寄せた。
RWA分野にはオンド・ファイナンスのほかにも、「Coinbase(コインベース)」や「Robinhood(ロビンフッド)」といった大手Web3企業・プロジェクトが続々と参入して熾烈な争いを繰り広げている。その中でオンド・ファイナンスが今回の取り組みを通じてどのようなサービスを生み出すのか、その動向が注目される。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.71円)