暗号技術を活用した新時代の分散型ネットワーク
分散型クラウドを開発する「Nillion（ニリオン）」は20日、独自トークン「NIL」のエアドロップを発表した。この取り組みは、ニリオンのコミュニティや早期貢献者への感謝を込めたもので、総供給量の7.5%に相当する7,500万トークンがエアドロップされる予定だ。
ニリオンは、分散型データストレージおよびコンピューティングネットワークであり、マルチパーティ計算（MPC）、完全同型暗号（FHE）、ゼロ知識証明（ZKP）などの高度な暗号技術を活用して、データを暗号化したまま安全に処理できる環境を提供する。これにより、ユーザーは自身のデータを公開することなく、共同で計算や分析を行うことが可能となる。
エアドロップの概要と登録方法
今回発表されたエアドロップでは、ニリオンが提供する「資格チェッカー」を通じて、2025年2月3日14時（JST）までに登録を完了することで参加資格を得られる。登録を完了した参加者は、アルファメインネットの公開後にクレームウォレットでNILトークンを受け取ることが可能だ。ただし、期限内に登録を行わない場合、エアドロップの資格を失うため注意が必要である。
また、参加者はバリデーターを選択してトークンを事前にステークすることで、追加の報酬を獲得することもできる。この事前ステーキングは、ネットワークを強化する一方で、参加者に対するインセンティブとして機能する。
配分と報酬の内訳
エアドロップでは、総供給量の7.5%に相当する7,500万トークンが確保されており、以下の3つの主要カテゴリーに配分される。
- 1. 検証プログラム参加者
ニリオンは、コミュニティ主導でプライバシー技術の可能性を実証してきた。このプログラムに1週間以上アクティブに参加した検証者が報酬対象となり、その貢献が評価される。 - 2. コミュニティ貢献者
長年ニリオンを支えたコミュニティメンバーにも報酬が配分される。対象には、Discordで特定の役割を担ったメンバー（例：ボランティア、Blind Warriorsなど）やBlind CeremonyのPOAP保有者、その他のコミュニティグループが含まれる。 - 3. 開発者
開発者コミュニティも重要な対象となる。GitHubへの貢献やハッカソンへの参加、SDKの利用、技術コンテンツの作成など、開発に積極的に関与した個人が報酬を受け取る。
ボーナス報酬と今後の展望
資格のある参加者は、追加のボーナス報酬を得る機会も提供される。具体的には、「Nill Pill（ニル・ピル）」プログラムやテストネット強化活動への参加が評価されるほか、ローンチパートナープログラムや貢献者プログラムの詳細も今後発表される予定だ。
ニリオンは、将来的なコミュニティイニシアチブのためにさらなるNILトークンを確保しており、これらはネットワーク拡張や新しい技術開発を支援する目的で活用される予定である。
ニリオンの分散型データストレージとコンピューティングネットワークは、高度な暗号技術を駆使し、データの安全性とプライバシーを大きく向上させる新たな可能性を示している。データを公開せずに活用できる仕組みは、個人情報保護や企業の機密管理を強化するだけでなく、分散型技術の新たな価値を創出する。今後の進展が、暗号資産（仮想通貨）の未来にどのように影響していくの注目したい。
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