ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、米金融大手モルガン・スタンレーが提供する現物ビットコインETF「MSBT」の上場を公式に発表した。これにより、同商品の運用開始が極めて近いことが示された。ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏が26日(日本時間)に明らかにした。
ニューヨーク証券取引所のETF専門市場であるNYSE Arcaは、米金融大手モルガン・スタンレーが申請中の現物ビットコインETF「Morgan Stanley Bitcoin Trust(ティッカー:MSBT)」について、公式の上場通知を公表した。ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏が26日、自身のXで明らかにした。
運用手数料は0.24%設定の見込み。IBITを超えるコスト競争力を提示
バルチュナス氏は「NYSEの公式な上場通知は、通常ローンチが間近であることを意味する」と述べた。ただし、MSBTの取引開始にはSEC(米証券取引委員会)の審査完了が必要であり、最終的な承認時期は2026年第2四半期後半から第3四半期になるとの見方が出ている。現時点ではまだ取引開始日は確定していない。
モルガン・スタンレーは2026年1月にETFの申請を行い、3月18日にはSECへ修正S-1登録届出書を提出した。初回バスケット1万口、シード投資約100万ドルという構成が開示されている。カストディ体制では、BNYメロンが現金管理・名義書換を担当し、コインベースがプライムブローカーおよびビットコイン
BTCのコールドストレージカストディアンを務める。
運用手数料について、バルチュナス氏は約0.24%になるとの予測を示した。これは現在市場シェア首位のブラックロック「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」の0.25%をわずかに下回る水準だ。ただし、S-1ファイリング上では管理手数料は未開示であり、正式な数値は今後明らかになる。
現物ビットコインETFとは、ビットコインを直接保有する信託を通じて、証券口座からBTC価格に連動した投資ができる金融商品である。レバレッジやデリバティブは使用しない。既にブラックロックやフィデリティなどの資産運用会社が発行体となった商品が複数上場しているが、大手米銀が自ら発行体となるのはモルガン・スタンレーが初めてとなる。
モルガン・スタンレーのウェルス・マネジメント部門は約6.2兆ドルの顧客資産を管理し、約1万6,000人のファイナンシャルアドバイザーを擁する。同部門は現在、適格な顧客に対しBTC配分を最大4%まで推奨している。仮に顧客基盤全体で2%の配分が実現すれば約1,600億ドル規模の資金が動く計算で、これはIBITの現在の運用資産(約546億ドル)の約3倍に相当する。
自社ETFを持つことで、他社ETFへ流れていた運用手数料を内製化できるだけでなく、商品の価格設定や販売戦略を一元的にコントロールできる利点がある。MSBTの承認・ローンチが実現すれば、伝統的な金融機関を通じたビットコイン投資の選択肢がさらに広がることになる。
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