LINE上のWeb3でUSDTが利用可能に──LINE NEXTがKaia・Tetherと連携

木本 隆義
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アジア圏でのWeb3普及を見据える

LINEヤフーグループの一員である「LINE NEXT Corporation(ラインネクスト・コーポレーション)」は8日、「Kaia DLT(カイア・ディーエルティー)財団」と連携し、「Tether(テザー)」との協業により、米ドル建てステーブルコイン「USDT」をラインネクストのプラットフォーム上で提供開始すると発表した。

コミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」を土台に展開されている「Mini Dapp(ミニ・ダップ)」やウォレットにおいて、カイアブロックチェーン上で発行されるテザー(USDT)が連動することになった。これにより、Web3サービスの新たな利用体験の提供が期待されている。世界的に規模の大きい米ドル建てステーブルコインが採用されることで、アジア圏におけるWeb3のさらなる大衆化が期待されている。

まずは、カイアのUSDTがミニ・ダップのウォレット内での支払い・送金手段として活用される計画だ。さらに、ミニ・ダップのなかでUSDTをリワードとして配布する取り組みも予定されており、ユーザーが日常的にステーブルコインを扱える環境が整備されることになる。この協業によりカイアのUSDTが安定した取引基盤を提供し、アジア市場を中心としたWeb3体験の普及を加速させる意図があるとみられる。

ラインネクストの代表であるコ・ヨンス氏は、USDTを導入することでアジア圏におけるドル利用の入口を築き、ステーブルコインを活用したWeb3サービスを人々の生活に自然に取り込むことを目指していると語っている。テザー社のCEOであるパオロ・アルドイーノ氏も、カイアベースのネイティブテザーをローンチしラインネクストと提携することは、一般ユーザーへのステーブルコイン普及に向けた大きな一歩だと捉えているようだ。ラインのユーザー基盤を生かしてデジタル資産の利用ハードルを下げ、カイアを通じてアジアや他の地域におけるステーブルコインの導入を促進したい考えである。

カイア DLT財団の理事長であるソ・サンミン氏は、テザーやラインネクストなど複数の主要パートナーと連携しながら、アジアでのステーブルコイン活用拡大とハイブリッド決済ソリューションの発展に取り組む方針を示している。Ethereum(イーサリアム)系ブロックチェーンの中でも特に取引処理が早く、即時ファイナリティを実現しているカイアのUSDTは、ラインをはじめ、DeFiや暗号資産(仮想通貨)取引所など幅広い領域で安定的かつシンプルなユーザー体験をもたらすと期待される。

関連:オーケーコイン・ジャパン、LINE連携のブロックチェーン「Kaia」と提携

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フリーエコノミスト。仮想通貨歴は9年。Liskで大損、BTCで爆益。タイの古都スコータイで、海外進出のための市場調査・戦略立案・翻訳の会社を経営。1973年生。東海中高、慶大商卒、NUCB-MBA修了。主著『マウンティングの経済学』。来タイ12年。
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