東証グロース上場企業「ジェイフロンティア株式会社(証券コード:2934)」は28日、子会社の「株式会社イーエックス・パートナーズ」を通じ、準備資産としてのビットコイン(BTC)保有と暗号資産(仮想通貨)マイニング事業を開始すると発表した。これは同社が提供するオンライン診療・服薬指導アプリ「SOKUYAKU(ソクヤク)」をはじめとした各種サービスにて、ビットコイン決済機能の導入検討に向けた動きの一環となっている。
ビットコイン決済の実装を視野に入れた取り組み
ビットコイン決済導入の背景には、外国人利用者や医療ツーリズムの増加とともに、国際送金の高額な手数料や複雑な手続きといった国内銀行システムの課題がある。地理的・経済的制約に縛られないほか、ブロックチェーン技術活用による医療の透明性・効率性向上など、既存の課題解決が見込まれることからビットコインが採用された形だ。
同社は今回の取り組みを「新たな決済手段の提供に向けた試験的プロジェクト」として位置付け、決済機能実装を予定する10月まで実施していく方針だ。当初の計画としては、8月から9月の間に1億円相当のビットコインを購入。その後は継続購入を検討し、購入したビットコインは決済機能の導入検証で活用するという。また、仮想通貨マイニングにおいては1,000万円で専用機器を購入し、9月からの採掘開始を目指すとしている。
ジェイフロンティアは将来的に医療相談から処方、決済に至るまでの診療プロセスをブロックチェーン上で連携させる構想も視野に入れており、患者体験のさらなる向上と業務効率化を目指す構えだ。ビットコイン決済を軸とした取り組みが、国内の医療サービスのデジタル化を加速させる可能性もあり、今後の動向に注目が集まっている。
なお、今回の発表を受けてジェイフロンティアの株価は一時2,050円まで急騰。その後は買いの勢いが弱まり、執筆時点では1,926円で推移している。いずれにしても、同社の仮想通貨関連事業への参入が市場にポジティブな影響を与えたことは間違いないだろう。

ジェイフロンティアのビットコイン戦略は、医療と仮想通貨という異なる分野を融合させる挑戦であり、日本における次世代型医療サービスのモデルケースとなるかもしれない。ビットコイン活用による今後の進展は医療業界のみならず、仮想通貨投資家にとっても大きな関心事となるだろう。
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