グレースケール、米国でXRP信託を再開
暗号資産(仮想通貨)ファンドマネージャーのグレースケールは3日、米国でXRP(リップル)信託を再開することを発表した。同社はかつて米国でXRP信託を販売していたが、SECが「XRPトークンが連邦証券法上の有価証券に該当する」と判断したことから、2021年に廃止していた。
XRP信託は、米国の適格投資家(accredited investor)向けの金融商品。適格投資家とは、米国証券法に基づいて、発行者が登録の手続きなしにプライベートキャピタル・マーケットに参加できる資格を有する投資家のことである。
今回のXRP信託の再開は、XRP-ETF承認の「前ぶれ」として注目を集めている。
XRP信託 vs. XRP-ETF
XRP信託 と XRP-ETF の比較であるが、グレースケールの目指す「本丸」は、あくまでXRP-ETFの方だ。両者のちがいをまとめておこう。
特徴 | 仮想通貨信託 | 仮想通貨ETF |
取引方法 | 証券会社を通じて売買 | 証券取引所で売買 |
流動性 | 低い(売買に制限あり) | 高い(市場で売買可能) |
運用方法 | 現物に投資 | 現物または先物に投資 |
透明性 | やや低い | 高い |
コスト | 高め | 低め |
規制 | 緩い場合も | 厳しい |
規制 | 金融商品取引法 | 証券取引法 |
適用対象者 | 富裕層・機関投資家向けが多い | 幅広い |
なぜ増える?パッケージ入り仮想通貨
今回もまさしくそうなのだが、「信託」や「ETF」といった、仮想通貨のパッケージ化が急速に進んでいる。
その背景には、機関投資家による仮想通貨への投資需要の急増がある。
「機関投資家は投資のプロなのだから、直接ビットコインやXRPを買えばいいのでは?」と思われた方もいるかもしれない。だが、これには以下の事情がある。
1. 法的な問題
- 既存の金融商品の枠組み: ETFや信託は既存の金融商品としての法的枠組み内で提供されるため、規制面での透明性や投資家保護が期待できる。
- 直接保有のリスク回避: 直接保有には法的リスクが伴う場合があるが、ETFや信託を通じた投資は、明確な規制の下で行われるため、外部利害関係者にも安心感がある。
2. セキュリティ上の問題
- 盗難リスクの軽減: 仮想通貨の直接保有では、秘密鍵の紛失やハッキングなどによる盗難リスクが問題となる。ETFや信託では、プロの資産管理者がセキュリティを担保しているため、投資家は安心して資産を預けられる。
- カストディサービス: ETFや信託を提供する金融機関は、高度なカストディサービスを利用し、仮想通貨を安全に保管している。
3. 投資家層の拡大
- 機関投資家へのアクセス: 多くの機関投資家は、規制や社内規定により仮想通貨を直接保有できない。一方、ETFや信託は許容範囲内の金融商品として扱われ、機関投資家も参入しやすい。
- 退職年金やファンドの組み入れ: ETFは株式や債券と同様にポートフォリオに組み入れやすく、退職年金ファンドやバランス型ファンドでも活用できる。
4. 税制上のメリット
- 税務処理の簡略化: 仮想通貨を直接保有する場合、取引ごとに税務処理が必要で、計算が複雑である。一方、ETFや信託では、分配金や売却益に基づいて税務処理が行われるため、投資家にとって管理が容易である。
来たれ、機関投資家の本格参入
XRP信託とXRP-ETFはともに、「機関投資家向けパッケージ」である点で共通する。今後、これらのパッケージ化により機関投資家のXRP投資が本格的に始まれば、当然はげしい価格上昇圧力に見舞われることになるだろう。実際、今回の「XRP信託再開」の報で、XRPは2%急騰している。6年前には果たせなかった「ムーン」の夢は、今度こそ果たせるのだろうか?
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情報ソース:Grayscale