DBS香港、仮想通貨ETFを富裕層向けに提供開始|預金額100万香港ドル以上

木本 隆義
11 Min Read

DBS香港が示す富裕層向け投資の新たな選択肢

DBS香港は、同社のバンキングサービス「Treasures」およびプライベートバンキング部門「Private Banking Treasures」の顧客が、仮想通貨ETFに投資できるようになったことを発表した。

Treasuresは最低100万香港ドル(約2,000万円)、Private Banking Treasuresは最低800万香港ドル(約1億5,000万円)の預金が必要。

プライベートバンキングとプライベートバンクの違い

よく似た言葉だが、「プライベートバンキング」と「プライベートバンク」の違いをご存じだろうか?

プライベートバンキングとは、大手銀行や大手証券会社の富裕層向け運用口座のことを指す。一方、プライベートバンクとは、(銀行や証券会社の傘下に属さない)独立系の富裕層向け運用会社のことだ。前者のOBが自分の顧客を連れて、後者を開業することも多い。

本件はいうまでもなく、DBS香港の「プライベートバンキング」部門の話だ。

世界株 vs. プライベートバンキング

今年の元旦に「世界株」の伝導者・山崎元氏が亡くなった。プライベートバンキングは、収益面・リスク分散面ともに世界株には敵わないことは、ファイナンス理論的にも数学的にも、そして実績的にも証明されている。

これはプライベートバンキング部門の人件費や減価償却費を引く前の話なので、これらを控除するとプライベートバンキングはなお分が悪い。

ありていにいって、富裕層はプライベートバンキングなどやめて、自分で世界株や仮想通貨ETFを買った方が儲かるし、リスク分散もできるのである。

にもかかわらず、プライベートバンキングやプライベートバンクがなくならないのは、プライベートバンカーたちは投資などという限られた分野だけでなく、富裕層の人々のトータルな「お世話役」を買ってでているからである。

富裕層もついに仮想通貨に食指

基本的に富裕層は、プライベートバンキングやプライベートバンクに運用を一任している。だが、ついに富裕層の中にも仮想通貨に興味を持つ者が出現しはじめた。

そうした動きの現れが、今回の「DBS香港のプライベートバンキング部門、仮想通貨ETFの取扱いを開始」だ。

わがままな富裕層が仮想通貨にも投資したいといえば、それに応えるのがいっぱしのプラベートバンカーというものだ。

世界株を超える世界投資

さすがの山崎元氏も、(世界株のネーミングからもわかる通り)ポートフォリオに仮想通貨は組み入れていない。

だが、ポートフォリオには仮想通貨も組み入れて「世界投資」とするのが、ファイナンス理論的にも数学的にも正しい。

もともと富裕層の投資は、利殖よりも「インフレ対策」と「リスク分散」に重きを置く傾向が強い。強いインフレ耐性をもち、株とも債券とも不動産とも価格連動しない仮想通貨は、富裕層からみて非常に魅力的な資産といえる。

つまり、ズバリ!今後世界の富裕層マネーが仮想通貨に流れ込む公算は大だ。その嚆矢として、本件のニュースは見逃せないだろう。

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情報ソース:DBS香港、富裕層顧客向けに暗号通貨ETF取引を開始

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フリーエコノミスト。仮想通貨歴は9年。Liskで大損、BTCで爆益。タイの古都スコータイで、海外進出のための市場調査・戦略立案・翻訳の会社を経営。1973年生。東海中高、慶大商卒、NUCB-MBA修了。主著『マウンティングの経済学』。来タイ12年。
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