オンチェーン指標が「売り」シグナルを示す
暗号資産(仮想通貨)分析企業「CryptoQuant(クリプトクアント)」のCEOであるキ・ヨンジュ氏は18日、自身のX(旧ツイッター)で「ビットコインの強気サイクルは終了し、今後6~12ヶ月は弱気または横ばいの価格変動が続く」と予想した。
クリプトクアントはオンチェーンデータの分析結果に基づいた各種指標を提供しており、投資家やトレーダーの投資判断に大きな影響を及ぼしている。
今回のキ・ヨンジュ氏の投稿は、「MVRV」「SOPR」「NUPL」などのオンチェーン指標をPCA(主成分分析)で統合し、それを365日移動平均化した指標を根拠としている。彼によれば、数日前にこの指標が「売り」シグナルを示したという。
一方で、過去にこのシグナルが出たあとは、半年から1年にわたってビットコイン価格が下落、もしくは横ばいとなる傾向がある。また、投稿に添付されたチャートには「BTC: PnL Index Cyclical Signals」も示されており、これまでのビットコインのサイクルにおいて重要な売買ポイントとなってきたことがわかる。
同氏は「あらゆるオンチェーン指標が弱気相場を示唆している。新たな流動性が枯渇する中、新規参入のクジラ(大口投資家)がビットコインをより安い価格で売っている」とも投稿。2月末から仮想通貨市場全体が冷え込むなかでビットコイン需要が減少していることから、価格が再び上向くまでには時間がかかると予測しているようだ。
なお、キ・ヨンジュ氏は14日には「ビットコインの需要は停滞しているようだが、弱気相場と呼ぶには時期尚早だ」とXに投稿している。
この投稿で示された「BTC: Apparent Demand」は、新規発行されたビットコインと1年以上保有されているビットコインの量を比較し、その変化を測定する指標だ。グラフ上で赤色の部分は「Negative Apparent Demand(需要減少)」を示しており、ビットコイン需要が縮小していることを表している。
14日の投稿では、この指標が2024年以降でもっともマイナスになったことを示していた。それでもこの時点では「弱気相場と呼ぶには時期尚早」としていたものの、18日には「強気相場は終了」とさらに悲観的な見解に転じたことになる。
著名な分析会社CEOの見解が多くの投資家やトレーダーに影響を与える可能性は十分にあるため、今後の価格動向に注意が必要となるだろう。
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