25日の米国暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインとイーサリアムの現物ETFがともに資金流出となった一方、ソラナの現物ステーキングETFは堅調な資金流入を記録した。
ビットコイン(BTC)現物ETFの動向
ビットコインETFは2億5,340万ドルの純流出となり、1日ぶりに資金流出へ転じた。銘柄別では、IBIT(iShares Bitcoin Trust)に7,970万ドルの流入が見られたが、FBTC(Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund)から1億1,480万ドル、BITB(Bitwise Bitcoin ETF)から8,050万ドル、ARKB(Ark 21Shares Bitcoin ETF)から6,300万ドルが流出となった。その他銘柄も振るわず、全体ではマイナスに転じた。
ETF開始以来の累計純流入額は571億9,900万ドルに達しており、前日の流入分を打ち消す形となった。
イーサリアム(ETH)現物ETFの動向
イーサリアムETFは2億5,120万ドルの純流出となり、4日連続の流出を記録した。銘柄別では、FETH(Fidelity Ethereum Fund)から1億5,810万ドル、ETH(Grayscale Ethereum Mini Trust)から3,030万ドルの流出が発生。ETHA(VanEck Ethereum ETF)は流入ゼロで横ばいとなり、その他の銘柄も資金流出に傾いた。
開始以来の累計純流入額は133億9,100万ドルにとどまっている。
ソラナ(SOL)現物ステーキングETFの動向
ソラナ現物ステーキングETFは1,620万ドルの純流入となった。開始以来の累計純流入額は2億9,810万ドルに拡大している。安定した資金流入が続き、投資家の需要の底堅さがうかがえる。
イーサリアムステーキングETF「ESK」が上場
米国市場では25日、「REX Shares(レックス・シェアーズ)」が新たにイーサリアムステーキングETF「ESK(REX-Osprey ETH + Staking ETF)」を上場した。同ETFは現物イーサリアム(ETH)に連動し、1940年投資会社法に基づく初のETFとなる。さらにステーキング報酬を毎月分配する点が特徴だ。
今回の上場は、レックス・シェアーズが進める一連の暗号資産ETF展開の一環でもある。すでにソラナ現物ステーキングETF(SSK)、ドージコイン現物ETF(DOJE)、XRP現物ETF(XRPR)を市場に投入しており、幅広い暗号資産をカバーするETFラインナップを展開してきた。ESKの登場で、投資家はイーサリアムの値動きに投資しつつ、同時にステーキングリワードを得られるようになった。
25日の米国暗号資産市場では、ビットコインとイーサリアムの現物ETFがそろって流出し、投資家心理の慎重姿勢が鮮明になった。一方でソラナ現物ステーキングETFは安定した純流入を確保しており、分散投資先としての存在感を強めている。
同日上場したイーサリアムステーキングETF「ESK」は、資金流出が続くイーサリアム市場にとって新たな受け皿となる可能性がある。現物連動に加えてステーキングリワードを組み込んだETFの登場は、投資家層の拡大と市場への新規資金流入を後押ししそうだ。
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