米連邦捜査局(FBI)が7日、2025年のインターネット犯罪報告書を公表し、暗号資産(仮想通貨)が関与する被害の拡大が浮き彫りとなった。報告によると、同年のサイバー犯罪による被害総額は前年比26%増の約208億ドル(約3.3兆円)に達しており、そのうち暗号資産が関与した被害は113億ドル(約1.7兆円)を超え、犯罪類型を横断する被害区分として最大の損失額を記録した。
投資詐欺が被害の中核に、暗号資産関与の被害額は約1.1兆円と大部分を占める
被害の内訳を見ると、詐欺関連が全体の約45%を占めており、損失ベースでは実に85%が詐欺によるものとされるなど、サイバー犯罪の中心が詐欺へとシフトしている実態が示された。加えて、インターネット犯罪苦情センター(IC3)に寄せられた苦情件数が100万件を超えたことも報告されている。
こうした詐欺の中でも、特に投資詐欺における被害が顕著となっている。投資詐欺全体の被害額は約86億ドル(約1.3兆円)に達しており、そのうち暗号資産が関与した投資詐欺だけでも約72億ドル(約1.1兆円)に上っている。
これらの詐欺は一般ユーザーを対象としたケースが多いとしており、主にSNS等を通じて信頼関係を構築した上で資金を騙し取る手法が目立つという。具体的には、専門家を装うグループが偽の投資アプリなどに暗号資産を送金するよう促し、架空の利益を見せることでさらなる送金を促す具体的な事例が報告されている。
FBIは被害の拡大を受け、暗号資産投資詐欺に対抗する「Operation Level Up」を継続中だ。2024年の開始以来、通知した被害者は8,000人を超え、推定5億ドル以上の被害を未然に防いだと報告している。同局はまた、「Take a Beat(立ち止まる)」という行動指針を提示し、不審なオファーに対しては即座に応じず、冷静に判断することの重要性を強調している。詐欺の疑いがある場合にはIC3や最寄りのFBIオフィスへの報告を行うよう呼びかけた。
今回の報告は、暗号資産が関与する詐欺被害が拡大し、サイバー犯罪の中核を占めつつある現状を示すものとなった。利用者の増加とともにリスクは顕在化しており、ユーザー側の慎重な判断がこれまで以上に求められている。
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