RWA特化新チェーン「Converge」、技術仕様・ロードマップを発表

伊藤 将史
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画像はConverge公式Xより引用

独自トークンは発行せずUSDe・USDtbを利用、Q2にメインネットローンチを目指す

ステーブルコイン開発企業Ethena Labs(エセナ・ラボ)と、現実資産(RWA)トークン化プラットフォームのSecuritize(セキュリタイズ)は17日、共同で開発を進める新たなブロックチェーン「Converge(コンバージ)」の技術仕様と初期ロードマップを発表した。コンバージは機関投資家やRWAに最適化された高性能ブロックチェーンとして設計されており、2025年第2四半期のメインネットローンチを目指すとしている。

2社が共同で開発するコンバージの主な目的は、機関投資家が安心して利用でき、かつ現実資産(RWA)のトークン化と活用に最適化された、高性能なブロックチェーン基盤を構築することである。これにより、従来の金融と分散型金融の世界を繋ぐ架け橋となることを目指している。両社が既に扱っている合計約100億ドル相当の資産規模を活かし、金融分野での主要なブロックチェーンとなることが期待される。

今回発表された技術仕様・ロードマップの要点

今回発表されたのは、コンバージの技術的な詳細と開発計画である。

【高速・低コストな基盤の構築】

出典:Converge
  • 高速処理で定評のある「Arbitrum(アービトラム)」の技術(Orbit Stack)を基盤に、「Conduit(コンジット)」のG2シーケンサーを利用し、非常に短いブロック承認時間と高い処理能力を実現する。
  • データ管理には「Celestia(セレスティア)」の技術を採用し、ネットワーク手数料を極めて低く抑える。
  • イーサリアム(EVM)との互換性は維持し、開発者の参入障壁を下げる。

【機関投資家向けのセキュリティ】

エセナ・ラボのガバナンストークン「ENA」のステーキングによって保護される独自の「Converge Validator Network(CVN)」を導入し、機関投資家が必要とするレベルのセキュリティとガバナンスを提供する。

【独自トークンの発行予定は無し】

ネイティブなガストークンとして、エセナが発行するステーブルコイン「USDe」と「USDtb」を利用する。

【柔軟なアクセス権限】

基本的なネットワーク利用や開発は誰でも自由(パーミッションレス)に行える一方、RWA関連など特定のアプリケーションでは、必要に応じてアクセスを許可されたユーザーのみに制限することも可能とする。

【今後のスケジュール】

2025年第2四半期(4月〜6月)にメインネットローンチ予定。

エセナ・ラボとセキュリタイズは、今後数週間以内にテストネットのローンチや、さらなる提携パートナーに関する発表を行う予定である。2025年第2四半期とされるメインネットローンチに向けて、その動向が注目される。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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