機関・個人の需要増に応え、デリバティブ市場を拡大
世界最大のデリバティブ取引所である「CMEグループ」は24日、新たに暗号資産(仮想通貨)「XRP(エックスアールピー)」に対応した先物取引を5月19日に開始すると発表した。この開始は規制当局の承認を前提としている。これにより、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)に続き、XRPが同社の仮想通貨デリバティブ商品群に加わることになる。
新たに提供されるXRP先物には、2,500XRP単位のマイクロ契約と、50,000XRP単位の大型契約の2種類が用意されている。いずれも現金決済型で、価格基準には1日1回、ロンドン時間午後4時に算出される「CME CF XRP-ドル参考レート」が採用される。
CMEグループの仮想通貨商品部門責任者であるジョバンニ・ヴィショソ氏は、「デジタル資産分野の革新が進む中で、より多様なトークンに対応した規制下のデリバティブ商品を求める声が強まっている。XRPとその基盤であるXRPレジャーへの関心も着実に高まっており、今回の新商品の導入により、顧客の投資およびヘッジ戦略をサポートする資本効率の高いツールを提供できる」と述べている。
CMEグループはすでにビットコイン、イーサリアム、さらには2025年3月に導入したソラナ(SOL)の先物取引を提供しており、今回のXRP先物はそれに続くものだ。同社の2025年第1四半期の実績によれば、仮想通貨の先物およびオプション取引の平均日次取引高は113億ドル(約1.6兆円)で、前年比141%増を記録。平均建玉は218億ドル(約3.1兆円)で、こちらも前年比83%増と急成長している。
また、オンライン証券のロビンフッドもCMEグループとの提携により、XRP先物の取り扱いを開始する予定だ。ロビンフッドの先物・国際部門VP兼GMであるJBマッケンジー氏は、「CMEのXRP先物をロビンフッドで提供するのは、個人投資家に先物取引へのアクセスを広げるという当社の使命に沿うものだ」と述べ、ユーザーがモバイル取引ラダーを用いて40種類の先物商品を取引できるようになると強調した。
CMEグループのXRP先物の上場は、仮想通貨市場の成熟と規制の整備が進む中で、信頼性の高い金融商品へのニーズが拡大していることを如実に示している。今後もこうした動きが、個人投資家から機関投資家まで幅広い層の参入を促進し、市場の安定化と発展につながるだろう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.37円)