10万ドル超でも売却進まず、強気継続の兆し
オンチェーンデータ分析プラットフォーム「Glassnode(グラスノード)」は3日、長期保有者によるビットコイン(BTC)保有量が過去最多となる1,470万BTCに達したと公式X上で報告した。これは、ビットコイン市場の構造的な成熟を示す重要なシグナルといえる。
グラスノードがX上で共有した「Long/Short-Term Holder Threshold」は、155日を保有期間の区切りとして長期保有者(LTH)と短期保有者(STH)を分類し、その保有量の推移をビットコイン価格とともに可視化した指標だ。この指標において、青色で示される長期保有者の保有量は明らかに優勢であり、全体の大部分を占めている。これは、市場参加者の中でも長期視点での資産形成を志向する層が強まっていることを示唆する要素だ。
また、注目すべきは2024年後半に一時減少傾向にあった長期保有者による保有量が、2025年に入ってから再び増加に転じている点だ。グラスノードは100,000ドル付近で購入されたビットコインが売られておらず、市場全体に強い確信が表れていることを投稿内で強調しているが、これは同社が共有した指標データも裏付けている。
短期保有者は価格変動に対して敏感に反応しがちであり、急騰や急落のタイミングで売買を繰り返す傾向が強い。対して、長期保有者の存在感が強まる局面ではボラティリティが緩和され、市場がより健全な成長曲線を描く可能性が高まる。特にビットコインのような供給上限が設けられた資産では、供給の固定化が市場の構造的な強さにつながるため、長期保有者の動向は価格形成における核心的な指標となっている。
暗号資産(仮想通貨)データプロバイダー「CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)」によれば、執筆時点でのビットコイン総供給量は約1,988万BTCとなっている。そのうち、約7割が長期保有者によってロックアップされている点は、ビットコインが中長期的な価値保存資産としての性質を強めていることを示唆している。
長期保有者によるビットコイン保有量の拡大は、市場の供給圧力を抑制し、今後の価格上昇を支える土台となる可能性が高い。投機的な取引よりも信念に基づく長期保有が市場を支配し始めている今、ビットコインの中長期的な成長は投資家の中で確信的なものになりつつある。
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