ビットコイン、2月上旬にATH更新?テクニカルとリターンが示す強気サイン

廣野倭佳菜
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

過去の統計と指標が示す2月の上昇傾向

ビットコイン市場は現在、テクニカル指標や過去のリターン率のデータから強気な兆候が見受けられ、2月上旬に史上最高値(ATH)を更新する可能性が高まっている。

1月20日、ビットコインは過去最高値となる109,114ドルを記録した。現在の米トランプ政権下では、ビットコインの戦略的備蓄政策や暗号資産(仮想通貨)規制の緩和への期待が高まり、市場は投機的資産から経済の一部としての地位を確立しようとしている。これらのファンダメンタルズが価格を押し上げる要因となる一方、テクニカル指標の分析からも、堅調な相場環境が示されている。

一目均衡表によるテクニカル分析

著名アナリストのDr Cat氏は30日、ビットコインが2月5日までに史上最高値を更新する可能性についてXで指摘した。分析では一目均衡表の2日足チャートが用いられ、特に遅行スパン(Chiko Span)の動きに注目している。

一目均衡表が示す強いトレンド

一目均衡表では、ローソク足と各線の位置関係からトレンドを判断することができる。特に遅行スパン(画像内の黄緑線)は、当日の終値を26日前に遅らせて表示するため、当日の価格と26日前の価格を比較する役割を果たす。このとき、遅行スパンがローソク足よりも上にある場合、強い上昇トレンドが示唆される。

また、「三役好転」と呼ばれる以下の3条件が揃うと、強い買いシグナルが点灯する。

  • 転換線が基準線よりも上にある
  • 遅行スパンがローソク足よりも上にある
  • ローソク足が雲よりも上にある

現在、転換線と基準線は間もなくクロスを形成しつつあり、転換線が基準線を上抜ければ「三役好転」が成立する。この動きが確認されれば、強気相場のさらなる継続がより明確になる。

遅行スパンが示唆する高値更新の時期

Dr Cat氏の分析によると、史上最高値更新のタイミングは2月5日が有力とされている。この根拠として、過去のローソク足が遅行スパンのサポートとして機能する傾向があることを挙げている。

この分析をチャート画像を用いて補足すると、遅行スパンが直近高値(画像内オレンジ正円)を上抜けるポイントが重要な判断基準となる。この地点からローソク足26本分先のタイミングが、史上最高値を更新する可能性の高い時期と考えられる。現在、遅行スパンは上昇傾向にあり、12月16日の実体ベースの高値がサポートとして機能することが予測される。つまり、12月16日からローソク足26本分先の地点が、次の高値更新のタイミングとなる可能性が高い。理論上は2月5日が予測日となるが、2日足チャートを使用しているため、実際のチャート上では2月6日として示されている。

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ビットコイン 2日足チャート

同氏は「マルチタイムフレーム(MTF)分析ではばらつきが見られるものの、現段階では複数の要因が強気派にとって有利になっている」と付け加えた。

2月は歴史的に高いパフォーマンスを記録

アノマリーの観点からも、2月はビットコイン市場にとって強気な月であることが示唆されている。データ分析プラットフォーム「CoinGlass(コイングラス)」によると、過去の統計では2月の平均リターンは+15.66%、中央値は+15.32%と高水準にあり、年間で平均リターンが3番目に高い月、中央値では2番目に高い月となっている。また、過去12年間のうち10年でプラスのリターンを記録しており、2月は歴史的に上昇しやすい傾向があることが確認される。

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ビットコイン月間リターン率(%)

さらに、週間リターンのデータを確認すると、7週目(2025年は2月10日~16日)に特に高いパフォーマンスが見られる。これは、中国の旧正月と重なることが影響している可能性がある。

市場では「旧正月アノマリー」と呼ばれる現象があり、この時期にはアジア圏の投資家による資金流入が増加し、ビットコインの買い圧力が強まるとされている。

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ビットコイン週間リターン率(%)

テクニカル分析と過去のデータからも、ビットコイン市場は2月上旬にさらなる上昇が期待される。引き続き、今後の価格動向を注視したい。

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仮想通貨やFX、AI系について執筆活動をするWebライター。海外留学中に為替をはじめとした金融マーケット情報に興味を持ち、2023年に仮想通貨とFX業界に参入。市場動向を常に追いかけ、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を両方取り入れた市場解析やシナリオ構築が得意。
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