ビットコイン10万ドル突破──米政策・英貿易協定が仮想通貨市場の追い風に

伊藤 将史
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仮想通貨市場に広がる強気ムード

ビットコイン価格は9日、約3ヶ月ぶりに10万ドル(約1,457万円)を突破した。

BTC/USDチャート
出典:TradingView

前回10万ドルの価格をつけたのは2月4日。以降、価格は10万ドルを下回り、米トランプ政権の関税政策などによる世界経済の混乱が影響し、4月8日には年内最安値となる75,000ドル(約1,093万円)まで下落していた。

4月後半から徐々に回復の兆しを見せていたビットコイン価格は、日本時間9日0時過ぎに10万ドルを突破し、午前6時には103,500ドル(約1,509万円)付近まで上昇。午前10時時点では102,000ドル台(約1,487万円)で推移している。

あらためて過去半年ほどの値動きをおさらいすると、ビットコインは2024年11月に米大統領選の直前から急騰し、12月に初めて10万ドルを突破。その後、一時は10万ドルを下回ったものの、2025年1月17日に再び10万ドルを超え、トランプ大統領就任式当日の同20日に過去最高値となる約109,000ドル(約1,589万円)を記録した。

高騰の要因は、トランプ米大統領がイギリスとの貿易協定合意を発表したことから、通商摩擦緩和への期待が高まったためと言われている。また、5月に入り米国の州レベルで相次いで暗号資産(仮想通貨)準備金に関連する法案が成立したことも、投資家心理が強気に転じた理由のようだ。トランプ大統領は3月に「戦略的ビットコイン準備金」を創設する大統領令に署名済み。州レベルでの準備金創設の動きに続いて、政府レベルでのビットコイン購入および長期保有への期待が高まっているようだ。

仮想通貨時価総額
出典:CoinMarketCap

アルトコイン市場を見ると、イーサリアムが8日0時から10時までに約11%高騰したほか、多くの仮想通貨も価格を上げている。統計サイト「CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)」によれば、直近24時間で仮想通貨全体の時価総額は6.36%上昇。仮想通貨市場は全面高となった。

依然として世界経済の先行きに不透明感が漂う中での10万ドル突破は、ビットコインの人気を裏付けるものと言えるだろう。3度目となる10万ドル突破の報を受け、仮想通貨市場ではビットコイン価格の過去最高値突破への期待感が高まっている。アルトコイン市場も活況を呈していることから、仮想通貨市場全体が新たな上昇フェーズに入ることを期待したいところだ。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.76円)

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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