無意味な比較
米IT企業のApple(アップル)は18日、預金口座『Apple Savings』のサービス開始を発表した。これは同社のクレジットカード『Apple Card』に付随するサービスで、年利は4.15%、利息は日々現金で受け取ることができる。
「年利4.15%」はやはり目を引く。一部メディアは「日本のメガバンク金利の4,000倍」とセンセーショナルに報じた。だが、この比較はナンセンスだ。というのも、Apple Savingsのサービスが開始したのは米国の話で、日本ではその予定すら発表されていないからだ。
Apple Savingsの利用は、Apple Cardの保有が前提となるが、それすら日本には上陸していない。これでは「その時と場所の指定まではしていない」と言い放った、カイジの利根川幸雄と同じではないか。このような無意味な比較のことを、英語では「Apples-to-Oranges Comparison」(アップルとオレンジの比較)という。
そもそも、米国と日本では法定金利がまったくちがう。米国は5.0%だが、日本は△0.1%。これでは市中銀行の金利も比較にならないし、年利4.15%という日本人にとってはきわめて魅力的な数字も、実は米国の法定金利を下回っていることがわかる。
Apple Card と Apple Savings
Apple Card と Apple Savingsについて、簡単にまとめておこう。
Apple Cardは、利用時のキャッシュバック率が3.0%で、ポイントの即時現金化が可能というクレジットカードだ。Apple IDがあれば、面倒な手続きや審査なしに、簡単に発行されるのが強みだ。
一方、Apple Savingsは、Apple Cardの保有者は、年利の4.15%の預金口座を持つことができ、利息も日々現金化が可能という、預金口座の一種だ。こちらもApple IDさえ持っていれば、簡単に開設できる。
口うるさい日本の金融庁のこと、Apple Savingsの日本上陸には時間がかかりそうだし、日本上陸時には、日米法定金利差を反映して大幅パワーダウンは必至と言えそうだ。