Matter Labs、zkSyncトークンの価値蓄積メカニズム導入を議論か?

ヤマダケイスケ
12 Min Read
画像は「The Crypto Beat」より引用

今月後半にもzkSyncトークンの新たな仕組みを提案へ

イーサリアムのzk-rollup型レイヤー2技術「zkSync(ジーケーシンク)」の開発企業「Matter Labs(マターラボ)」のCEOアレックス・グルチョフスキー氏が12日、「The Block(ザブロック)」が提供するポッドキャスト「The Crypto Beat」に出演。近い将来、zkSyncトークンの価値蓄積メカニズムについてガバナンスで議論が始まり、新たな機能の追加が検討される可能性があると語った。

グルチョフスキー氏はインタビューの中で、「zkSyncのガバナンスシステムを通じて、トークンの機能を変更・拡張することが可能」と強調。さらに、近い将来、zkSyncコミュニティとElastic Network(エラスティックネットワーク)のガバナンスとの間で、zkSyncのエコシステムやネットワークの運営について議論が行われる可能性があると述べた。

エラスティックネットワークは、zkSync Era(ジーケーシンク・エラ)を基盤に進化したネットワーク技術で、「zkSync3.0」とも称される。誰でもモジュール型のZKチェーンを構築でき、同ネットワークとのシームレスな統合が可能だ。高いスケーラビリティやセキュリティを実現することから、企業向けのプライベートチェーン構築や資産のトークン化など、多様な用途の活用が期待されている。

このネットワークの相互運用性は、単に複数のネットワーク間でトークンを移動できるだけでなく、エコシステム全体の価値の流れにも影響を与える可能性がある。グルチョフスキー氏は、この相互運用性がzkSyncトークンの役割に新たな変化をもたらすと指摘し、今後のガバナンスにおける議論の重要性を強調した。

イーサリアムの価値蓄積メカニズムについても言及

グルチョフスキー氏はインタビュー内で、イーサリアムの価値蓄積メカニズムの変化とその影響について見解を述べた。イーサリアムはこれまで、取引手数料の一部をバーン(焼却)する仕組みによって供給量が抑えられ、価格の上昇が促進されると考えられてきた。しかし、イーサリアムが新たに導入したデータパケット「Blob(ブロブ)」により、レイヤー2が低コストでデータを保存できるようになった。その結果、メインネット上のデータコストが削減され、取引手数料の低下が続き、バーンされる手数料の総量も減少している。

こうした背景から、グルチョフスキー氏は、イーサリアムの手数料が過去の高水準に戻る可能性は低いと指摘。ただし、これはイーサリアムの価値が下がることにはならず、むしろ「価値の貯蔵庫」および「担保資産」としての役割を強化すべきだと述べた。

さらに、同氏は、イーサリアムの価値蓄積メカニズムを維持するためには、レイヤー2エコシステムの成長が重要であると強調。レイヤー2がイーサリアムへ価値を還元する仕組みを構築する必要があり、マターラボは今月後半にも、その実現に向けたアイデアを共有する予定だと語った。

zkSyncトークンの価値蓄積やイーサリアムへの還元が今後どのように議論されるのか、ガバナンスの動向に注目が集まる。マターラボが発表するアイデアがエコシステム全体に与える影響も見極めたい。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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