企業の即時送金インフラが加速
ステーブルコイン決済インフラを提供する「BVNK(ビーブイエヌケー)」は6日、決済大手の「Visa(ビザ)」の投資部門「Visa Ventures(ビザ・ベンチャーズ)」から戦略的投資を受けたと発表した。
BVNKは今回の投資について「資本提供以上の意味を持ち、ステーブルコイン技術でグローバルな支払いをアップグレードするという我々のビジョンを強力に裏付けるものだ」と、その意義を述べている。
発表内でBVNKは、現在が決済領域における「一世代に一度の、大きな転換点」であると指摘。全世界で年間27兆ドルのステーブルコインおよび12.5億件のトランザクションが処理されているというビザのオンチェーン分析データをもとに、「お金の移動方法が根本的に再構築されている」と述べた。
同社は、ステーブルコインが従来の銀行システムに代わる即時のグローバル決済手段として台頭すると早期に認識し、大規模なステーブルコイン決済を自動化・調整するためのインフラを構築してきた。
今回の発表に先立ち、2024年12月にも「Haun Ventures(ハウン・ベンチャーズ)」が主導のもと、「Coinbase Ventures(コインベース・ベンチャーズ)」などが参加したシリーズBラウンドで5,000万ドルを調達済みだ。決済業界・Web3業界からのBVNKへの期待の大きさがうかがえるだろう。
BVNKの共同創業者兼CEOであるジェシー・ヘムソン・ストラザーズ氏は「決済のパイオニアであるビザのグローバル決済ネットワーク構築における深い専門知識と、我々のステーブルコインインフラを組み合わせることで、今日のデジタル経済における企業の事業運営方法を再定義する強力な可能性が生まれる」と、提携の意義を強調した。
ビザでグロースプロダクトおよびパートナーシップ部門の責任者を務めるルベイル・ビルワドカー氏は、「ステーブルコインは急速にグローバルな決済フローの一部になりつつある。ビザはBVNKのような新しい技術やビルダーに投資し、顧客やパートナーにより良いサービスを提供するため、コマースの次世代の最前線に立ち続ける」とコメントを寄せている。
BVNK創業時のビジョンは「企業が今日の経済のスピードで事業運営できるようなインフラを構築すること」とのこと。今回のビザとの提携は、そのビジョンを現実にするための大きな一歩と言えるだろう。
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