分散型取引所(DEX)最大手「Uniswap(ユニスワップ)」で、プロトコルの運営体制と経済モデルを大きく見直すガバナンス提案「UNIfication」の投票が最終段階を迎えている。期限を12月26日に控えるオンチェーン投票はすでに定足数(4,000万UNI)に到達し、6,200万UNI以上が投じられた。賛成率は99%を超えており、可決はほぼ確実な状況だ。

UNIにデフレ機能実装、1億UNIの遡及的バーンも計画
提案の中核となるのは、長年議論されてきた「プロトコル手数料の有効化(フィー・スイッチ)」だ。これまで取引手数料はすべて流動性提供者に分配されてきたが、本提案によりその一部をプロトコルが徴収し、UNIトークンの買い戻しとバーン(焼却)に充てる。取引量の増加に応じてトークン供給量が減少する仕組みで、UNIの希少性と価値向上を狙う。
あわせて、トレジャリーに保管されている約1億UNIを遡及的にバーンする計画も盛り込まれている。この数字は、過去にフィー・スイッチが有効だったと仮定した場合に想定されるバーン量を反映したものだ。また、独自チェーン「Unichain(ユニチェーン)」のシーケンサー手数料についても、同様にバーン機構へ統合する方針となっている。
一方、運営体制にも大きな変化が加えられる。これまでエコシステムを支えてきたユニスワップ財団の主要チームを、開発主体のユニスワップ・ラボに統合する。この再編により、開発会社のインセンティブとトークン保有者の利益を一致させ、プロトコル全体の成長に注力できる体制を構築する狙いだ。
最終投票に先立ち、11月にはスナップショット投票による事前の意思確認を実施。法的契約の交渉権を独立委員会に委任する点や、提案の基本方針について広範な支持が示された。
ガバナンス投票権にとどまっていたUNIが、プロトコルの利用と連動する価値を持つトークンへと進化する意義は大きい。UNIficationの行方は、分散型金融(DeFi)における持続的な価値設計の新たな基準となるかを占う。
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