セコイアやベンチマークなど大手VCが参加、急成長するエコシステム
レイヤー1ブロックチェーン「TON」の開発を支援するTON財団は20日、大手ベンチャーキャピタル(VC)が総額4億ドル(約600億円)以上のToncoin(TON)を初期投資家から購入したと発表した。購入した企業には、「Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)」、「Ribbit(リディット)」、「Benchmark(ベンチマーク)」などの大手VCが名を連ねている。
過去1年間でTONブロックチェーンは著しい成長を遂げている。発表によると、アクティブアカウント数は400万から4,100万へと急増し、ネイテイブトークン「Toncoin(トンコイン)」のユニークホルダー数は1億2,100万を超えた。特筆すべきは、トンコインのホルダー数がビットコインのウォレット数を超えた点であり、TON関連アプリは世界で最も利用される暗号資産(仮想通貨)アプリの一つに成長した。
TON財団は、今後2028年までにテレグラムのアクティブユーザーの30%をTONブロックチェーンに取り込むことを目指している。そのために、以下の4つの主要戦略を展開する予定だ。
- テレグラムのネイティブIPを活用(ステッカー、ギフト、オンチェーンコレクションなど)
- エンターテイメント要素の強化(報酬型のマルチプレイヤーミニゲーム)
- DeFiソリューションの提供(使いやすい貯蓄オプションと持続可能なリターン)
- 実用的な決済アプリの開発(仮想通貨のリアルワールドユースケースの創出)
ベンチマークのパートナーであるピーター・フェントン氏は、「テレグラムのユーザーベースは2030年までに15億人を超えると予測されており、これは人類史上前例のない機会を生み出す。情報の流れに限定されていた金融活動を、TONが支えることで民主化することができる」と述べた。
TON(The Open Network)ブロックチェーンは、もともとTelegram(テレグラム)という世界的なメッセージングプラットフォームが開発したブロックチェーンで、現在もテレグラムとの密接な連携を武器に、急速な成長を遂げている。特に、ユーザーの利便性を重視した設計と、実用的なユースケースの開発に注力している点は、仮想通貨市場における他のプロジェクトと一線を画す。今後、TONが計画する多様な戦略がどのように実行されるかが、その成功の鍵となるだろう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.9円)