米サムズアップ、仮想通貨マイニングとブロックチェーン投資拡大を発表

木本 隆義
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米ナスダック上場のSNSマーケティング企業「Thumzup Media Corporation(サムズアップ・メディア・コーポレーション)」は13日、大規模な暗号資産(仮想通貨)マイニングと、ターゲットを絞ったブロックチェーン投資へ戦略的に事業を拡大すると正式に発表した。

米国市場の好機捉え、収益源多様化と企業価値向上へ

本件は、同社が最近完了した5,000万ドル(約73億円)の資金調達を受けたものであり、急成長するデジタル資産セクターでの重要な事業展開を加速させることが目的だ。

近年、世界のデジタル資産の中心地としてアメリカが台頭している。サムズアップはこの好機を捉え、自社の持つ事業運営の専門知識と革新的な企業文化を活用する。そして、拡張可能で持続的なマイニングインフラと、将来性の高い仮想通貨から成る多様なポートフォリオを確立する意向だ。

具体的には、調達した資金を最先端の仮想通貨マイニングインフラに投入する。その際、エネルギー効率、運用の拡張性、そして長期的な持続可能性を最優先するという。すでに同社は、事業の迅速な立ち上げを実現するため、業界をリードする複数のマイニング技術プロバイダと積極的に交渉を進めている段階にある。

これと並行して、サムズアップは既存の「デジタル資産トレジャリー(DAT)」戦略も拡大させる。すなわち、すでに市場で確立された仮想通貨を対象に、戦略的な買い増しを進めるのである。このように、マイニング事業と多様なデジタル資産への投資を組み合わせる戦略は、同社の財務的な強靭性を高めることを目的としている。それだけでなく、新たな収益源を生み出し、長期的な株主価値を創造するための、計算された戦略といえるだろう。

サムズアップのCEO、ロバート・スティール氏は、「これはサムズアップの進化における変曲点だ」と語る。そして、「強化された資本基盤と明確な戦略的ビジョンをもって、我々はデジタル経済の高成長分野へと進出する。我々の焦点は、収益を生み出す永続的な資産を構築し、デジタル資産のマイニングと財務管理の分野でリーダーとしての地位を確立することにある」と続け、その自信をのぞかせた。

同社はもともと、広告主向けのダッシュボードを通じて、ユーザーによるSNSでのブランドコンテンツ共有と、それに対する報酬支払いを管理するプラットフォームを運営してきた。この広告技術プラットフォームの成長と並行して、財務戦略も着実に拡大させてきた経緯がある。当初はビットコインのみを保有していたが、その後、ドージコインライトコインソラナXRPイーサリアムUSDコイン(USDC)といった主要な仮想通貨へとポートフォリオを多様化させ、財務の機敏性と革新性への取り組みを強化してきたのである。今回の発表は、こうした過去からの延長線上にある、必然の展開と見ることもできよう。

「広告業界の破壊的イノベーター」を自任するサムズアップが、デジタル資産という新たな荒野でどのような金脈を掘り当てるのか。その巧みなピボットは、市場関係者から大きな関心を集めている。

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※金額は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.50円)

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リージョナルスペシャリスト(SEA)。タイの古都スコータイで、海外進出のための市場調査・戦略立案・翻訳の会社を経営。『月刊くたばれ経済学』『月刊くたばれMBA』編集長。著書『マウンティングの経済学』ほか。1973年生。東海中高、慶大商卒、NUCB-MBA修了。来タイ13年。仕事のご依頼はツイッターにて。 ツイッター:@t_kimoto
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