ステーキング利回りの最大85%を利払いに活用
カナダの上場企業SOL Strategies(ソル・ストラテジーズ)社は23日、米ATW Partnersとの間で最大5億ドル(約712億円)規模の転換社債による資金調達枠を確保したと発表した。この資金調達は、Solana(ソラナ)ブロックチェーンのインフラ拡充と基軸通貨SOLのステーキング強化を目的としており、仮想通貨関連ファイナンスとしては珍しい構造となっている。
この契約により、ソル・ストラテジーズはまず2,000万ドル(約28億円)相当の転換社債を発行し、その後、一定の条件を満たせばさらに最大4億8,000万ドル(約684億円)までの追加調達が可能となる。第1弾の資金受け取りは2025年5月1日前後に予定されている。
特筆すべきは、この資金の用途がすべてSOLの購入に限定されている点である。同社は取得したSOLを自社運営のバリデーターにステーキングし、そこから得られる報酬の最大85%を社債の利払いに充てる仕組みとなっている。これは従来の資金調達手法とは一線を画す、新しい資本運用のかたちを示している。
この転換社債は、条件を満たせば市場価格を基準にソル・ストラテジーズの普通株式に転換可能で、カナダ国外で発行されるため、カナダの証券法による保有期間制限は適用されない。また、米国においても登録を行っておらず、いかなる国や地域においても売買の勧誘を目的とするものではない。
同社のCEO、リア・ウォルド氏は今回の発表に際し、次のようにコメントしている。
「これはソラナエコシステムにおいて過去最大規模であり、ステーキング報酬に直接結びつく初の資金調達です。最大5億ドル(約713億円)という戦略的資本により、ソラナへの信念と、ステーキングプラットフォームとしての私たちの存在感が一層強まりました。この仕組みは革新的であると同時に、非常に拡張性があります。」
今後、ソル・ストラテジーズはソラナのバリデーターの運用をさらに強化し、ナスダック上場を含む海外市場への展開を進めていく構えだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.65円)