リップル、中東初の不動産トークン化プロジェクトを支援──Ctrl Altとの提携でカストディ技術を提供

ヤマダケイスケ
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RWA市場の拡大、リップルが次なる成長領域へ

暗号資産(仮想通貨)「XRP(エックスアールピー)」の開発企業「Ripple(リップル)」は15日、トークン化プラットフォーム企業「Ctrl Alt(コントロールオルト)」との提携を発表。この取り組みの一環として、ドバイ土地局が主導する不動産トークン化プロジェクトを支援することが明らかになった。

今回の提携により、コントロールオルトはリップルが持つデジタル資産カストディ技術を導入。これにより、XRP Ledger(XRPL)上で発行された不動産権限証書トークンの安全な保管・管理が可能となった。XRP Ledgerの高速処理能力や拡張性、そしてリップルが提供する金融インフラ技術の信頼性が、同プロジェクトの技術的基盤として選ばれた形だ。

ドバイ土地局は5月25日、XRP Ledger上で構築された不動産トークン化プラットフォーム「Prypco Mint(プリプコミント)」で本プロジェクトを開始することを発表。プラットフォーム上ではドバイに実在する物件を小口化し、わずか2,000 UAEディルハム(約8万円)からの購入を可能にしている。現在、購入はUAE IDを持つ者に限定されているが、将来的にはグローバルなユーザー層を視野に入れた体制構築を目指しているという。

コントロールオルトはすでにドバイ土地局との戦略的連携を進めており、プリプコミントを通じたトークン化不動産の流通を後押ししている。今回のリップルとの提携はその延長線上にあり、RWA(現実資産)のオンチェーン展開において両社が相互に補完し合う関係を築く第一歩と言えるだろう。

リップルの中東・アフリカ地域担当幹部であるリース・メリック氏は、「ドバイ土地局によるトークン化プロジェクトは、ドバイをグローバルなデジタル資産拠点へと導く革新的なイニシアチブの完璧な例です」とプロジェクトを評価。加えて、コントロールオルトが自社のデジタル資産カストディ技術を選択したことに対して喜びを示した。

今回のコントロールオルトとの提携やドバイ土地局主導のプロジェクト支援は、リップルがRWAトークン化という成長性の高い市場への本格参入を示唆している。特にXRP Ledgerはこれまで高速・低コストな国際送金基盤として知られてきたが、今後は不動産や証券といったRWAのオンチェーン管理基盤としての存在感を強める可能性が高い。同社のドバイでの動向はもちろん、この動きが与える市場への影響にも今後は目が離せそうにない。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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