ソラナのDEX市場で異例の急成長
ミームコイン発行プラットフォーム「Pump.fun(パンプファン)」が3月20日(現地時間)にローンチした分散型取引所(DEX)「PumpSwap(パンプスワップ)」は31日、累積取引量が24.7億ドル(約3,680億円)を達成したことが明らかになった。わずか11日間での急成長は、ソラナのDEX市場において異例のスピードと言える。

暗号資産(仮想通貨)のオンチェーンデータ分析サイト「Dune(デューン)」によると、PumpSwapの執筆時点における24時間の取引量は約2.19億ドル(約326億円)、直近7日間の取引量は19.7億ドル(約2,935億円)にのぼる。
1日の取引量を細かく見ると、ピークを迎えたのは24日。この日は約3.48億ドル(約518億円)もの取引量を記録した。それ以降、28日まではおおむね3億ドル前後の高水準を維持していたが直近ではやや減少傾向にある。
とはいえ、PumpSwapのアクティブウォレット数はすでに70万を突破。総スワップ数(取引回数)は3,100万回を超え、プロトコル収益も約565万ドル(約8億4,000万円)と上々であり、PumpSwapは市場での存在感を急速に強めている。
Raydium一強の勢力図を塗り替えられるか?
PumpSwapの急成長は、ソラナ上で展開されるその他DEXにも影響を与えている。ローンチ直後の市場シェアは2.5%に過ぎなかったPumpSwapだが、27日には18.6%にまで拡大。Meteora(メテオラ)やWhirlpool(ワールプール)などの競合DEXを上回り、市場を独走するRaydium(レイディウム)に圧力をかけている。

PumpSwapでは、ボンディングカーブを達成したトークンが直接上場できる仕組みを提供している。従来はレイディウムが上場先として採用されていたが、上場時に6 SOL(約11万円)の手数料と数時間程度の移行時間がかかる点がネックとなっていた。PumpSwapはこの課題を解消し、手数料無料かつシームレスなトークン移行を実現している。
なお、レイディウムも独自のミームコイン発行プラットフォーム「LaunchLab(ローンチラボ)」の開発を進めており、Pump.funに依存しない収益モデルを構築しつつある。今後の新たなプラットフォームの誕生により、ミームコイン発行プラットフォーム同士の競争がますます激化していくことが予想される。
PumpSwapの今後の動向は、DEX市場全体の勢力図を大きく変える要因になり得るだろう。一旦は落ち込んでいるPumpSwapの市場シェアだが、今後も拡大を図れるのか、競合に飲まれてしまうのかが引き続き注目される。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=149.00円)