ビットコイン( BTC )の市場サイクル天井を高精度で予測することで知られるPi Cycle Top(Pi サイクル トップ)指標が、現在の強気相場がまだピークに達していないことを示している。過去の同時期における価格上昇幅を考慮すると、今回の相場には大幅な上昇余地が残されている可能性が高い。
ビットコイン投資家が注目すべき「天井シグナル未発生」の重要性
暗号資産(仮想通貨)の著名アーカイブアカウント「Bitcoin Archive」が14日にX(旧Twitter)で投稿した分析によると、Pi サイクル トップ指標は過去3回の強気相場において、正確にビットコインの天井を予測してきた実績を持つ。
Pi サイクル トップ指標は、111日単純移動平均線(111SMA)と350日単純移動平均線の2倍(350SMA × 2)の2つの移動平均線で構成される。111SMAが350SMA × 2を上抜けした時点で、市場の過熱状態を示し、価格のピークが近いことを警告するシグナルとして機能する。
この指標は2019年にPhilip Swift氏によって開発され、2017年、2021年の各強気相場において驚異的な精度を示してきた。2017年12月のピークでは1日前にシグナルが発生し、2021年4月では同日にシグナルが発生するなど、極めて高い予測精度を誇っている。
Bitcoin Archiveの分析によると、現在のPi サイクル トップ指標は天井シグナルの発生に「全く近づいていない」状況にある。これは、現在の強気相場がまだ過熱状態に達しておらず、さらなる上昇余地が残されていることを示唆している。
過去の強気相場において、現在と同じ相場段階からビットコインは大幅な上昇を見せた。2017年のサイクルでは、同時期から25倍の価格上昇を記録し、2021年のサイクルでも6.4倍の上昇を達成している。
これらの過去データを踏まえると、現在の相場でも同様の上昇パターンが期待できる可能性がある。ただし、市場環境の変化や機関投資家の参入、ビットコインETFの承認など、過去とは異なる要因も影響を与える可能性がある。
市場参加者は、Pi サイクル トップ指標の動向を注視しながら、リスク管理を徹底した投資戦略を検討することが推奨される。過去の実績からも分かるように、この指標は市場の過熱状態を早期に察知する有用なツールとして機能してきており、今後の相場展開においても重要な参考指標となりそうだ。
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