日Pacific Bays Capital、米ワイオミング州の油田資産を13.8億円で取得──RWAトークン化も視野に

ヤマダケイスケ
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41の成熟油井を取得、安定した生産実績が評価

ディープテック領域を焦点に置く国内投資ファンド「Pacific Bays Capital(パシフィックベイズキャピタル)」は25日、米独立系オペレーターである「VCP Operating(VCPオペレーティング)」との共同で、米国ワイオミング州に位置する成熟油田資産を総額965万ドル(約13.8億円)で取得したと発表した。

今回の油井資産の取得は、日本の適格機関投資家を対象とするファンド「Pacific Bays Capital Japan Petroleum 1号任意組合」を通じて実施された。取得資産には合計41の油井が含まれており、いずれも減衰率が低く、安定した生産実績を有しているという。これらの特性は中長期的に安定したキャッシュフローの創出に寄与すると見込まれている。

注目すべき点はこれらの油井資産が、将来的にRWA(リアルワールドアセット)トークン化によるデジタル資産としての運用が構想されている点だ。RWAトークン化とは実物資産をブロックチェーン上でデジタル化し、分割保有やより簡易的な取引を可能にする革新的な仕組みである。

従来、石油・ガスといった天然資源への投資には高額な資金を必要とするほか、閉鎖的な市場という特徴から流動性の確保が難しい点が課題視されてきた。しかし、RWAトークン化の活用はこれらのデメリット解消につながる。小口投資家による市場参入はもちろん、オープンな市場での活発な取引や運用透明性の確保に期待が持てるだろう。

パシフィックベイズキャピタルのゼネラルパートナーであり、投資ファンド「O-DE Capital(オーデキャピタル)」の取締役を務める武藤浩司氏は、「石油・ガス資産といった産業は堅実なキャッシュフローを生む一方で、RWAトークン化のようなデジタルアセットとの親和性が非常に高い」とコメント。伝統的な資産クラスと革新的なWeb3技術との融合が、今後の金融インフラの在り方を変革する可能性についても示唆した。

エネルギー資源への投資と最先端技術の融合を試みる今回の取り組みは、国内投資家へ新たな資産運用の選択肢を提供するのみならず、デジタル資産の活用が広がる未来への布石にもつながりそうだ。パシフィックベイズキャピタルの大きな一歩をきっかけに、国内でのRWAトークン化のさらなる認知拡大や活用に期待したい。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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