ドバイで認可取得、地域市場に向けたサービスを強化
海外の大手暗号資産(仮想通貨)取引所「OKX」は10日、UAE(アラブ首長国連邦)のドバイにて、VARA(ドバイ仮想通貨規制庁)認可の仮想通貨取引所を正式に開設したと発表した。

OKXは2024年1月、ドバイ現地法人を通じてVASP(仮想資産サービスプロバイダー)ライセンスを取得。今回の仮想通貨取引所の開設は、このVASPライセンス取得を受けた動きの一環である。OKXは、ドバイを拠点とする子会社「OKX Middle East Fintech FZE」を通じ、国内投資家に対して幅広い仮想通貨サービスの提供を進めていく予定だ。
ドバイ向けプラットフォームでは、280種類以上の仮想通貨と480の取引ペアに対応しており、国内投資家にはスポット取引や即時変換機能などを提供する。10日からはプラットフォームのカスタマーサービスをアラビア語で提供し、さまざまな顧客ニーズに対応できる体制を整えている。
また、現地通貨であるUAEディルハム(AED)を、地元の金融機関を通じて入出金できるシステムも導入。さらにビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、テザー(USDT)などの主要通貨がAED取引ペアとして採用されている。
OKXは、特定の基準を満たす機関投資家に対しても、主要なデリバティブ取引製品へのアクセス提供を行う予定だ。これにより、ドバイ市場の多様なニーズに応え、高度な金融取引を求める投資家層にも対応できるようになるという。
OKXは今回のドバイでの仮想通貨取引所開設にあたり、「今後、完全な運用承認を得て、地域の個人投資家や機関投資家のニーズに応じた幅広いサービスを提供する体制を整えていく」と公式サイトで述べている。
UAE、特にドバイは仮想通貨の新興市場として注目されている。今回のOKXの進出は、同地域における仮想通貨取引の普及と成長を後押しする重要なステップと言えるだろう。技術革新と規制環境が整備されたドバイに誕生したこの仮想通貨取引所は、今後ヨーロッパとアジアをつなぐ重要拠点としての役割を果たす可能性がある。