堂島取引所、アジア初のビットコイン先物上場へ 申請準備整える=報道

伊藤 将史
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堂島取引所フェイスブックより引用

SBIグループ傘下の先物取引所、月内に申請準備を整える方針

大阪市の堂島取引所が、ビットコイン先物の上場に向けて今月末までに申請準備を整える方針であることをブルームバーグが報じた。申請が認可されれば、伝統的な取引所におけるアジア地域初の事例となる見込みだ。

堂島取引所は、江戸時代に米の先物取引が行われた「堂島米会所」の流れを汲み、1952年に設立された先物取引所。現在は金・銀・白銀・トウモロコシ・大豆などの先物商品を取り扱っている。2021年にSBIホールディングスなど8社から20億円の出資を受けて株式会社へと組織変更しており、筆頭株主であるSBIグループ代表の北尾吉孝氏は、かねてより堂島取引所に暗号資産(仮想通貨)先物商品を上場したいとの意思を表明していた。

国内における仮想通貨の稼働口座数は過去2年で倍増しており、着実に仮想通貨投資への関心は高まっている。そのため、価格ヘッジなどの観点から、仮想通貨の先物取引にも大きな潜在ニーズがあると予想されている。

また、先物の上場は仮想通貨ETF(上場投資信託)の認可に向けた先駆けであるとの期待の声もある。米国ではすでに先物やETFなどの仮想通貨デリバティブ(金融派生商品)の認可が進んでいるが、米国でETFが認可されているビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)は、いずれもまず先物取引が解禁され、のちにETF上場という手順を踏んでいるのだ。
日本でも先物取引の開始によって仮想通貨の金融商品としての多様性を広げ、待望の声が多いETF認可につなげようという狙いだろう。

海外では、すでにビットコインの先物取引がシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)などで行われており、その価格推移は仮想通貨市場の主要指標の一つとして認識されている。堂島取引所で先物取引がスタートすれば、アジア地域の取引時間における重要な価格指標になる可能性も十分にあるだろう。

日本における仮想通貨ETFについては、金融庁がビットコインETFやイーサリアムETFの解禁を視野に入れて、仮想通貨を有価証券に準ずる金融商品として位置づける方向で制度設計に着手したことが、日本経済新聞によって報じられている。

先物取引やETFの解禁は、仮想通貨市場への機関投資家の参入を促し、市場を活性化させる効果があると期待されているため、今度の動向に注目したいところだ。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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