カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所のヘイウッド・S・ギリアム・ジュニア判事は25日、米半導体大手エヌビディアおよびCEOジェンスン・フアン氏に対する証券集団訴訟について、クラスアクション認定を承認する命令を下した。
ゲーミングGPU収益のマイニング依存を過少申告か
本件はスウェーデンの資産運用会社ランネボとオランダの年金基金PGBが主導する証券訴訟で、2017年8月10日から2018年11月15日までにエヌビディア株を購入した投資家を対象とする。原告側は、同社がゲーミングGPU「GeForce」の売上高に占める暗号資産(仮想通貨)マイニング需要の規模を意図的に過少申告したと主張している。
フアン氏はクラス期間中、決算説明会で暗号資産関連収益を「小さい」と繰り返していた。
しかし原告側の見方は異なる。ゲーミングセグメントの急成長を実際に支えていたのはマイニング需要であり、その大部分はOEMセグメントのマイニング専用SKUではなくGeForceの売上として計上されていたという。エヌビディアは2017年5月にマイニング専用GPUを投入し、その売上をOEMセグメントで報告する体制を整えたが、原告側はこれが「ゲーミング事業は暗号資産の影響を受けていない」との印象を投資家に与える意図的な構造だったと指摘する。
2018年11月開示後、株価28.5%急落
転機は2018年8月に訪れた。フアン氏は決算説明会でマイニング需要がGeForce購入を「相当程度(a great deal)」押し上げていたと認め、今後の暗号資産貢献をゼロと予測。株価は4.9%下落した。
決定打は同年11月15日だ。CFOコレット・クレス氏が「暗号資産関連の在庫消化が想定以上に長引き、ゲーミング部門は期待を下回った」と発表すると、株価は2営業日で約28.5%急落した。
副社長の内部メールが決め手に
エヌビディア側は「マイニングの影響は市場に広く知られていた」として株価への影響を否定した。
裁判所はこの主張を退けた。同社副社長が社内メールで「自社の株価が(過去の発言のおかげで)高値を維持している」との見解を示していた事実を取り上げ、「このような証拠がある以上、株価への影響がなかったとは結論づけられない」と判断。エヌビディアが自らの発言と株価の関係を社内で認識していたことが、判事の判断を左右した格好だ。
本訴訟は2018年の提訴後、2021年にギリアム判事が一度棄却。控訴審で復活し、2024年12月には最高裁がエヌビディアの上訴を退けた。2022年にはSECも別途550万ドルの罰金を科している。クラスアクション認定は責任の確定ではないが、投資家が集団として訴訟を進める道が開かれた。次回審理は4月21日に予定されている。
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