米ナスダック(NDAQ)とデジタル資産インフラ企業のTalos(タロス)は23日、トークン化資産の統合管理に向けた提携を発表した。タロスのデジタル資産インフラとナスダックのリスク管理プラットフォーム「カリプソ」および取引監視プラットフォームを接続し、機関投資家がオンチェーンとオフチェーン双方の担保を統合的に管理できる環境の構築を目指す。
350億ドル超の「眠る担保」を解放へ
トークン化担保とは、伝統的な金融資産を分散型台帳技術(DLT)上でデジタル表現したもので、証券や現金同等物をリアルタイムで移動させることを可能にする仕組みである。ナスダックが公表したレポートによると、現在担保全体の25%が是正措置や無利息の形で滞留しており、350億ドル(約5.5兆円)超が有効活用されていない。今回の提携は、こうした非効率を解消する狙いがある。
ナスダックのローランド・チャイ執行副社長は「機関投資家が直面する根本的な課題は、単一のリスク・資産レンズで市場横断的なエクスポージャーを管理できないことだ」と述べ、今回の提携がオンチェーンとオフチェーンの市場エコシステムを収束させる一連の戦略的イニシアチブの一環であると説明した。
提携のもう一つの柱は、取引監視機能の統合だ。タロスの顧客は、ナスダックの取引監視プラットフォームを通じて、レイヤリング、スプーフィング、ウォッシュトレード、クロスマーケット操作といった不正行為を検知できるようになる。デジタル資産と伝統的資産の両市場を横断した監視が可能になる点が特徴である。
タロスのアントン・カッツCEO兼共同創設者は「トークン化担保への移行は機関投資家向け資本市場の自然な進化だ」とし、「執行、リスク、担保、コンプライアンスのワークフローを接続し、オンチェーン・オフチェーン双方の資産クラスにまたがる運用摩擦を低減する」と語った。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.5円)




