巨額投資で示す覚悟、ビットコイン戦略の最前線
米国ソフトウェア企業「Microstrategy(マイクロストラテジー)」は27日、1月21日から26日にかけて約10,107ビットコイン(BTC)を約11億ドル(約1,695億円)で追加購入したと発表した。これにより、同社のビットコイン保有総量は471,107 BTCに達し、評価額は驚異の約7.2兆円にのぼる。
今回の購入価格は1ビットコインあたり約105,596ドルで、これによりマイクロストラテジーのビットコイン平均取得価格は1BTCあたり約64,511ドルとなった。
この購入の原資は、2024年10月30日に締結された株式販売契約を通じて調達された収益だ。同社は1月21日から26日に約276万株のクラスA普通株式を売却し、約11億ドル(約1,695億円)を調達した。
契約に基づき、最大210億ドル(約3.1兆円)の株式販売が可能であり、1月26日時点では約43.5億ドル(約6,700億円)が未使用である。また、2025年第1四半期には最大20億ドル規模の優先株による新たな資金調達を計画していることも明らかにしており、ビットコイン購入の余力は十分に残されていると考えられる。
また、同社はビットコイン購入戦略の成果を測定するため、独自指標「BTC Yield KPI(ビットコイン利回りKPI)」を導入している。この指標は、ビットコイン保有量と想定希薄化後発行済株式数の比率変化を示すものであり、株主価値の向上にどの程度寄与しているかを測ることを目的としている。2025年1月1日から26日までのビットコイン利回りKPIは2.9%となった。
マイクロストラテジーのビットコイン購入は、資産運用の新たな可能性を示している。同時に、市場全体に影響を与える規模であり、リスクと挑戦が共存する戦略だ。この動きが暗号資産(仮想通貨)の方向性をどう変えるか、注視が必要だ。
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