「仮想通貨の普及を一国ずつ」CZ氏、キルギスと協力締結──国家戦略を支援

木本 隆義
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ブロックチェーン後発国のモデルケースに

キルギスのサディル・ジャパロフ大統領は3日、「Binance(バイナンス)」創業者のCZ(チャンポン・ジャオ)氏とMoU(理解覚書)を締結した。

キルギスは中央アジアの山岳地帯に位置し、これまでブロックチェーンやデジタル経済においては国際的な存在感が薄かったが、国家として先端技術の導入に取り組み始めている。一方、CZ氏はいわずと知れた世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスを創設した人物である。その両者が、国家レベルで協力関係を築くというのだから、これは単なるニュースの枠を超えている。

キルギス政府は、同国を仮想通貨・ブロックチェーン分野のハブとして育成しようとしており、今回のMoUはその戦略の一環と位置づけられる。大統領直属の国家投資庁とCZ氏が協力し、ブロックチェーン関連のインフラ整備、教育支援、技術コンサルティングを進める方針が打ち出された。この協力を通じて、キルギスは中央アジアのみならず、世界的にも存在感を大いに高めることが期待される。

国家が仮想通貨の規制整備と教育の推進を同時に行おうとしている点は興味深い。投資家保護やマネーロンダリング対策など、健全な市場育成に不可欠な枠組みづくりに向け、CZ氏の知見を取り入れながら「安全かつ透明性の高い取引環境」の構築を目指すという。

また、バイナンスはかねてより「Crypto School(クリプトスクール)」を通じてオンライン教育プログラムを提供している。ジャパロフ大統領も、デジタルリテラシーを高めることで若年層の力を引き出し、新たな投資やビジネスの可能性を育てたい意向だ。長期的には外資誘致につながる効果も見込まれ、CZ氏自身も4日の投稿で「Crypto adoption, one country at a time(仮想通貨の普及を一国ずつ)」と投稿し、キルギスとの協力が世界的な普及戦略の一部であることを示唆した。

国家戦略としてブロックチェーンの制度整備と人材育成を同時に進めるキルギスの動きは、今後同様の分野で後れを取っている他国にとってもモデルケースとなる可能性がある。規制の整備と教育の推進を軸にデジタル経済を成長させることで、キルギスは一段と国際的地位を高めるだろう。成功が広く認知されれば、中央アジア全域や世界の他国にとっても、ブロックチェーンに基づく経済連携の可能性を示す新たな例となるにちがいない。

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フリーエコノミスト。仮想通貨歴は9年。Liskで大損、BTCで爆益。タイの古都スコータイで、海外進出のための市場調査・戦略立案・翻訳の会社を経営。1973年生。東海中高、慶大商卒、NUCB-MBA修了。主著『マウンティングの経済学』。来タイ12年。
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