分散型取引所(DEX)「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」を支援する「Hyper Foundation(ハイパー財団)」は24日、コミュニティによるガバナンス投票の結果を受け、支援基金に保管されていた
HYPEを正式にバーン(焼却)したと発表した。
バリデーターがステーク合意、10億ドル規模を流通統計から除外へ
今回バーンの対象となったHYPEは、システムアドレス「0xfefefefefefefefefefefefefefefefefefefefe」に蓄積されていたものだ。このアドレスは、ハイパーリキッドのレイヤー1プロトコル上で発生する取引手数料を自動的にHYPEへ変換し、支援基金として保管する役割を担っている。
ただし、このアドレスには当初から秘密鍵が存在せず、大規模な仕様変更を伴うハードフォークを行わない限り、資金を取り出すことは数学的に不可能だとされている。
ハイパー財団は今月17日、これらのHYPEを正式に「消滅した供給」として扱うため、バリデーターによる投票を提案。投票はステークの重みに基づいて行われ、全ステークの85%が賛成、7%が反対、8%が棄権という結果となり、バーンの実行が決定された形だ。
今回バーンされた約3,760万枚のHYPEは、現在の循環流通量のおよそ11%に相当し、市場価値は約10億ドル(約1,557億円)規模とされる。この対応により、実体のない供給を統計上から排除し、トークノミクスの透明性を高めると同時に、HYPEの希少性を明確にする狙いがあるとみられる。
一方、HYPEの価格動向は依然として厳しい局面にある。執筆時点の価格は約25ドルで、直近では22.5ドル付近から反発しているものの、長期的には下落基調の中にある。今後の回復にはプロジェクト固有の材料だけでなく、暗号資産市場全体の環境改善が大きく影響する可能性が高いだろう。

今回のバーンは、形式的に残っていた供給を整理し、プロジェクトの健全性を示す象徴的な決定といえる。市場がこの判断をどのように評価するかは、今後の価格動向とエコシステムの成長によって明らかになりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.7円)




