2日も暗号資産(仮想通貨)市場は全体的に強気を継続。1日同様堅調な値動きを見せた。ビットコイン・イーサリアムの現物ETFには4日連続で大量の資金が流入し、価格上昇を支えた。本来なら3日にADP雇用統計が発表される予定だったが、政府閉鎖の影響で延期の見込みだ。利下げの見通しを決める重要な指標の発表が中止になったことで、本日は若干調整が入る可能性も。ただ、暗号資産業界にとってポジティブなイベント・ニュースが多数控えているため、いつ上昇を再開してもおかしくない地合いだ。
ビットコイン現物ETF、4日で3,322億円流入も調整ムード
2日、ビットコインETFには6億2,720万ドル(約925億8,700万円)の純流入。実に直近4日間で計22億5,090万ドル(約3,322億7.800万円)の流入超過となった。機関投資家からの強烈な買い圧を受け、ビットコインは重要な価格帯である12万ドルを突破。しかし雇用統計の発表が中止になったこともあり、目下は材料不足感が否めず方向感のない値動きだ。特に大きな材料がなければ一時的な調整もあり得る。

ビットコイン資金調達率低下が健全な上昇を示唆
ビットコインの価格が最高値に近づくにつれ市場の過熱感が気になるところだが、そんな中オンチェーン分析企業「CryptoQuant(クリプトクオント)」は2日、さらなる上昇余地を示唆した。
同社が注目したのは暗号資産取引所「Binance(バイナンス)」におけるビットコインの資金調達率(Funding Rate)。この指標は先物のポジション動向を反映し、高水準であれば市場の過熱感を示すとされる。しかし直近の資金調達率は平常時と大きな差はなく、むしろマイナス圏にあるケースも見られる。
クリプトクオントは「全体的に強気の構図は崩れていない。マイナスの資金調達率は蓄積の好機を示唆し、強い現物需要が上昇を持続させている」と分析。現物投資家は多くが長期保有を目的としており、急落リスクは限定的で、上値余地も残されているとの見方を示した。
イーサリアムETF流入で高騰後一服 イベント次第で急騰も
イーサリアム現物ETFには2日も3億710万ドル(約453億3,700万円)の流入。直近4日間で計10億6,240万ドル(約1,568億3,100万円)と大規模な流入が続いている。

機関投資家の追い風を受け力強い上昇を続けたイーサリアムだったが、4,600ドル目前で大きな上髭をつけて反落。他のアルトコイン銘柄の上昇も一服している。本日は材料不足もあり方向感のない展開が予想される。

ただ、現在シンガポールでは暗号資産業界の著名人を招いたイベント「Token2049」が開催中で、スピーカーの発言内容に市場が反応する可能性もある。

また、ナスダック上場の「VivoPower(ヴィーヴォパワー)」による、XRP財務戦略のための資金調達(約28億円)や、トランプ一族が経営する「World Liberty Financial(ワールド・リバティー・ファイナンシャル)」による暗号資産デビッドカードの発行など、業界にとってポジティブなニュースが続いており、市場の強気な姿勢は継続しそうだ。
ADP雇用統計の発表が見通し通り延期されることになれば、暗号資産市場には材料不足による一時的な調整が発生する可能性がある。ただ、オンチェーンデータやファンダ面からみても強気相場継続は濃厚であり、下落局面はエントリーチャンスと考えてよいだろう。
関連:リップル、3.0ドルの節目突破──上昇圧に乗れれば3.2ドルを狙う流れ【仮想通貨チャート分析】XRP、BTC、ETH、DOGE
関連:ナスダック上場企業「VivoPower」、Flareと提携──XRPで1億ドル運用開始
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.62円)