暗号資産デリバティブ市場、85.7兆ドル規模に到達──Binance・CME・Hyperliquidが主導し機関マネー流入

JinaCoin編集部
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Highlights
  • 年間取引高は約85.7兆ドル、日次平均約2,645億ドルで過去最高を記録し、機関投資家中心の市場構造へ移行が加速
  • Binance約29.3%シェアで首位を維持、CME台頭とHyperliquid市場シェア70〜80%で規制準拠商品とPerpDEXが並走
  • 10月の清算190億ドル超と流動性集中が極端なリスクを露呈、2026年はCME24時間365日取引開始で価格形成構造が再編

暗号資産データ分析プラットフォームのCoinGlass(コイングラス)は25日、2025年の暗号資産デリバティブ市場に関する年次レポートを公開した。2025年の市場は、個人投資家による高いレバレッジの投機中心から、ビットコイン現物ETFや規制に準拠した先物を用いる機関投資家中心の構造へ移行したと分析している。

CME台頭と取引量の上位集中で清算リスクが顕在化、PerpDEXも拡大

世界最大のデリバティブ取引所「CME」は、2024年にBTC先物の建玉(OI、未決済残高)でバイナンスを上回った後、2025年にBTCBTCのデリバティブ市場での優位性を固め、ETHETHのデリバティブ市場でも建玉と出来高の両方でバイナンスに迫る規模まで拡大した。

中央集権型取引所(CEX)では、一部の取引所への取引量の集中が続いている。暗号資産デリバティブ市場の年間取引高は約85.70兆ドル、日次平均は約2,645億ドル、単日のピークは2025年10月10日に約7,480億ドルまで拡大した。バイナンスは年間約25.09兆ドル、シェア率約29.3%でトップに立ち、市場の流動性が一部の取引所に偏る構造が明らかになった。

これらの取引量の集中は、市場が急変動した際に、影響が増幅されるリスクを抱えている。

10月10日には市場全体の清算が急増し、ロング・ショート合計で190億ドル超に達した。各取引所の情報の開示タイミングの差を考慮すると、実際の清算規模は300〜400億ドルに達していた可能性があるとし、証拠金の制度や清算ルール、取引所間でリスクが連鎖する仕組みを見直す必要があると指摘した。

現物市場では、取引所が保有するBTC残高が4月22日ごろには約298万BTCだったのに対し、11月中旬には約254万BTCに減少し、約43万BTC(約15%)の純流出になった。これは自己保管(セルフカストディ)への移行や長期保有の傾向を示す一方、価格が反転して上昇した際にはこれらのBTCが取引所に戻って売り圧力となり、大きな価格変動を起こす可能性もあると分析した。

オンチェーンでは、パーペチュアル(無期限先物)DEXの成長が目立った。月間取引高は10月に初めて1.2兆ドルを超え、ハイパーリキッドは上半期に市場シェアが70〜80%に達し、5月に約71%でピークを付けた。

コイングラスは、規制に準拠した商品の拡充でベーシス取引の機会が生まれた一方、流動性の集中が極端なリスクをもたらす一年だったと総括した。2026年は、CMEとCEX、PerpDEXのどこが価格形成の中心となるか注目だ。

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