2025年第3四半期、暗号資産市場が4兆ドル到達──3期連続の上昇相場=CoinGeckoレポート

JinaCoin編集部
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2025年第3四半期(Q3)の暗号資産(仮想通貨)市場は、前期比16.4%増の5,636億ドル(約85兆円)拡大し、総額で4兆ドル(約604兆円)に達した。これは2021年末以来の高水準となる。コインゲッコーが16日に公開したレポートによると、市場の回復は流動性の急増、機関投資家の資金流入の再開、そして取引活動の急回復が重なった結果だという。

イーサリアム・BNBが新高値を記録、DeFiとステーブルコインが市場拡大を牽引

レポートによれば、日次平均取引量は前期比+43.8%増の1,550億ドル(約23兆円)に達し、年初から続いた低迷から明確に好転した。中央集権型取引所ではバイナンスとバイビットが取引高を伸ばし、現物取引量は+31.6%増の5.1兆ドル(約771兆円)に拡大。依然として第1四半期の5.3兆ドル(約801兆円)には届かないが、市場の勢いを取り戻しつつある。

ステーブルコイン市場も記録的な伸びを見せた。時価総額は+18.3%増の2,876億ドル(約43兆円)と過去最高を更新。USDeは+177.8%と急成長し、シェアを2%から5%へ拡大し、世界第3位のステーブルコインとなった。最大手のUSDT(テザー)は170億ドル(約2.5兆円)増加したものの、全体シェアは65%から61%へ低下。多様化の進行がうかがえる結果となった。

イーサリアムとBNBが相場を牽引、DeFiも復権

アルトコインの中ではイーサリアムBNBが際立った。イーサリアムは第3四半期を通じて+68.5%上昇し、8月には過去最高値の4,946ドルを記録。機関投資家の買い越しや現物ETFへの資金流入が後押しした。BNBも+57.3%上昇し、1,048ドルの新高値を更新した。分散型取引所のアスターをはじめ、バイナンス関連のDeFi活動が活発化したことが背景にある。

DeFi分野も復調した。TVL(Total-Value-Locked:預かり資産残高)は+40.2%増の1,610億ドル(約24兆円)に達し、他セクターに対する市場シェアを再び拡大。アスターやアヴァンティスといったトークン価格上昇が寄与し、DeFi全体の時価総額も1,810億ドル(約27兆円)まで拡大した。

また、分散型パーペチュアル取引所の取引量は+87%増の1.8兆ドル(約271兆円)と過去最高を更新。首位のハイパーリキッドが54.6%のシェアを維持する一方、アスターやライターedgeXなどの新興勢力が急速に存在感を高めている。

今回のレポートは、価格上昇だけでなく市場構造の成熟を示している。特にステーブルコインとDeFiの多様化は、暗号資産エコシステムの進化を象徴する動きだ。4兆ドル規模にまで成長した今、市場の次の課題は「流動性の維持」と「透明性の確保」である。これを実現できるかどうかが、2026年に向けた持続的成長を決定づけるだろう。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.82円)

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