コインチェックの手数料は高すぎる?抑えるコツと他社比較も解説

JinaCoin編集部
64 Min Read

国内有数の暗号資産(仮想通貨)取引所である「Coincheck(コインチェック)」。国内取引所のなかでは比較的取扱通貨が多いという特徴を持つ取引所ですが、一方で「手数料が高い」という声もあります。

実際のところ、コインチェックの手数料は他の取引所と比べて高いのでしょうか?

この記事では、コインチェックで発生する各種手数料を、他の国内取引所と比較しながら徹底解説します。

【主要取引所の手数料比較表】

結論から言うと、コインチェックは他社と比較して日本円の出金手数料がやや高く、販売所のスプレッドが広い(実質手数料が高い)と言えます。また、仮想通貨の送金時に手数料が発生することも、「手数料が高い」と言われる一因になっています。

以下、それぞれの手数料について詳しく解説します。手数料を抑えるコツや、コインチェックを使うのがおすすめな人・おすすめできない人についても解説するので、取引所選びの参考にしてください。

【他社比較】コインチェックの手数料は高すぎる?手数料一覧

仮想通貨取引所を利用する際には、さまざまな種類の手数料が発生します。知らずに利用していると、思った以上にコストがかかってしまうことも少なくありません。

ここでは、コインチェックで発生する主な手数料について、それぞれ詳しく見ていきましょう。他の主要な国内取引所との比較表も掲載しているので、コインチェックの手数料水準を客観的に把握できるはずです。

日本円の入金手数料

日本円の入金手数料
銀行振込無料
コンビニ入金30,000円未満:770円30,000円以上 300,000円以下:1,018円
クイック入金30,000円未満:770円30,000円以上500,000円未満:1,018円50万円以上:入金額×0.11%+495円

コインチェックで日本円を入金する方法は、「銀行振込」「コンビニ入金」「クイック入金」の3種類があります。

銀行振込での入金手数料は無料ですが、振込元の銀行で発生する振込手数料は自己負担となります。コンビニ入金とクイック入金は、入金額に応じて所定の手数料が発生します。

なお、銀行振込はモアタイム加盟銀行からなら24時間入金可能ですが、その他の銀行の場合は営業時間内のみ入金が反映されます。クイック入金はATMやネットバンキングから24時間入金可能ですが、上記のとおり手数料が発生するので使用時には注意しましょう。

他の取引所でも、基本となる銀行振込は無料で、「クイック入金」などの一部の機能は有料なので、日本円の入金については、コインチェックの手数料は標準的な水準と言えます。

日本円の出金手数料

日本円の出金手数料
取引所名日本円出金
コインチェック407円
ビットトレード330円
ビットバンク550/770円
SBI VC Trade無料
ビットフライヤー220円~770円
GMOコイン無料
ビットポイント月1回目:無料2回目以降330円

※ビットフライヤーは三井住友銀行への出金の場合は3万円未満:220円・3万円以上440円、三井住友銀行以外への出金は3万円未満:550円・3万円以上770円
※ビットバンクは3万円未満:550円・3万円以上で770円

コインチェックで日本円を出金する際には、一律407円の手数料がかかります。

他の取引所と比較すると、コインチェックの出金手数料407円はやや高めです。SBI VC TradeやGMOコインは出金手数料が無料、ビットポイントも月1回は無料なので、頻繁に日本円を出金する方は、これらの取引所の方がコストを抑えられます。

仮想通貨の入金手数料

仮想通貨の入金手数料

他の取引所やウォレットからコインチェックへ仮想通貨を入金(受取)する際の手数料は無料です。

多くの国内取引所も無料なので、この点についてコインチェックが特に不利ということはありません。なお、外部からの送金時に発生するネットワーク手数料は利用者自身が負担することになるので注意しましょう。

仮想通貨の出金(送金)手数料

仮想通貨の出金(送金)手数料

コインチェックから他の取引所や個人のウォレットへ仮想通貨を出金(送金)する際には、通貨ごとに定められた手数料が発生します。

【最低出金手数料(一部抜粋)】

BTC0.0005BTC
ETH0.005ETH
ETC0.01ETC
LSK0.1LSK
XRP0.15XRP

※その他の仮想通貨の出金手数料はコインチェック公式サイトを参照

また、コインチェックは各仮想通貨のネットワーク手数料に応じた変動型送金手数料を採用しているため、手数料は随時変更されます。

【コインチェックの変動型送金手数料(BTC)】

送金手数料ネットワーク手数料区分
0.0005BTC0.0005BTC未満
0.001BTC0.0005BTC以上0.001BTC未満
0.002BTC0.001BTC以上0.002BTC未満
0.004BTC0.002BTC以上0.004BTC未満
0.008BTC0.004BTC以上0.008BTC未満
0.016BTC0.008BTC以上

コインチェックでビットコイン(BTC)を外部に送金する際の手数料はネットワークの状況に応じて0.0005~0.016BTCになっています。

ビットコインのネットワーク手数料は平常時には0.0005BTC未満で推移することが多いため、多くの場合、コインチェックのBTC送金手数料は最低額である0.0005BTCが適用されると考えて良いでしょう。

ただし、仮想通貨市場の急激な価格変動時などにはネットワーク手数料が高騰し、それに伴ってコインチェックの送金手数料も上昇する可能性があります。そのため、実際に送金手続きを行う際には、必ずコインチェックの画面上で表示される最新の送金手数料を確認するようにしましょう。

次に、他の取引所と比較してみましょう。

【BTCの送金手数料比較表】

取引所名仮想通貨送金(BTC)
コインチェック0.0005~0.016BTC
ビットトレード0.0005BTC
ビットバンク0.0006BTC
SBI VC Trade無料
ビットフライヤー0.0004BTC
GMOコイン無料
ビットポイント無料

ビットコインを含めたすべての仮想通貨の送金手数料が無料のSBI VC Trade、GMOコイン、ビットポイントと比較するとコインチェックは高いということになります。頻繁に外部に仮想通貨を送金する場合は、これらの取引所を利用したほうが得と言えるでしょう。

「販売所」の取引手数料

「販売所」の取引手数料

仮想通貨の取引には、主に「販売所形式」と「取引所形式」の2つの方法があります。

  • 販売所形式:取引所を相手に仮想通貨を売買する方法。手軽さがメリット。
  • 取引所形式:板取引の方式で他のユーザーと仮想通貨を売買する方法。一般的に有利な価格で取引しやすい。

コインチェックの販売所では、取引手数料自体は無料です。しかし、注意が必要なのは「スプレッド」と呼ばれる実質的なコストです。

スプレッドとは、購入価格と売却価格の差額のことで、これが販売所の利益となり、ユーザーにとっては実質的な手数料となります。

では、コインチェックと各取引所のBTCのスプレッドを比較してみましょう。

【各取引所の販売所におけるBTCのスプレッド】

取引所名購入価格売却価格スプレッド(円)スプレッド率(%)
コインチェック12,466,000円11,726,000円740,000円5.94%
ビットトレード12,444,935円11,775,948円668,987円5.38%
ビットバンク12,401,752円11,795,476円606,276円4.89%
SBI VC Trade12,381,500円11,710,900円670,600円5.42%
ビットフライヤー12,435,379円11,710,963円724,416円5.83%
GMOコイン12,353,908円11,763,790円590,118円4.78%
ビットポイント12,361,927円11,759,130円602,797円4.88%
※2025年4月18日計測

表のとおり、スプレッド率は計測時点ではコインチェックが最も高い5.94%となりました。スプレッドは日々変動するものなので参考程度の数値となりますが、コインチェックのスプレッドは比較的高いと言えます。

次に、コインチェックの販売所における主要通貨のスプレッドを見てみましょう。

【コインチェックの販売所における主要通貨のスプレッド】

仮想通貨名購入価格売却価格スプレッド(円)スプレッド率(%)
BTC12,466,000円11,726,000円740,000円5.94%
ETH233,990円218,130円15,860円6.78%
XRP307.75円281.37円26.38円8.57%
DOGE23.244円21.028円2.216円9.53%
LTC11,163円10,406円757円6.78%
※2025年4月18日計測

ビットコイン以外の仮想通貨は、スプレッドがやや高く6~10%程度のスプレッドになっています。このスプレッド率についても、概ね他の取引所と同等かやや高い水準になっています。

なお、一般的に、流動性が高い(取引が頻繁に行われている)仮想通貨ほど、スプレッドは狭くなる傾向があります。そのため、どの取引所でもビットコインは販売所のスプレッドが狭く、アルトコインはやや高くなっています。

「取引所形式」の取引手数料

「取引所形式」の取引手数料

コインチェックでは、ビットコイン(BTC)の取引所手数料は無料です。これは大きなメリットと言えるでしょう。

一般的に、他のユーザーと直接仮想通貨を取引する「取引所形式」では、「Maker(メイカー)」と「Taker(テイカー)」に分けて手数料が設定されています。

  • Maker:取引板に新しい注文を出し、市場に流動性を提供する注文のこと。
  • Taker:取引板に既にある注文を約定させ、市場の流動性を利用する注文のこと。

では他の取引所と比較してみましょう。

【取引所形式の手数料比較表】

取引所名取引所 手数料(BTC)
コインチェック無料
ビットトレードMaker:ー0.02%/Taker:0.12%
ビットバンクMaker:ー0.01%/Taker:0.05%
SBI VC TradeMaker:ー0.01%/Taker:0.05%
ビットフライヤー約定数量 × 0.01 ~ 0.15%※取引金額に応じて変動
GMOコインMaker:ー0.01%/Taker:0.05%
ビットポイント無料
※マイナス手数料は取引が成立すると報酬がもらえることを意味します。

BTCを取引所形式で売買する場合、コインチェックの手数料無料は魅力的です。ただし、他の多くの取引所ではMaker手数料がマイナス(取引すると報酬が得られる)に設定されているため、指値注文を頻繁におこなうトレーダーにとっては、これらの取引所が有利になる場合もあります。

なお、コインチェックの取引所形式においては、BTCの他、ETH、XRP、DOGEなど多くの通貨が手数料無料になっていますが、一部のアルトコインは手数料が発生します。詳しくは公式サイトをご覧ください。

レバレッジ取引手数料

レバレッジ取引手数料

レバレッジ取引とは、証拠金を預けることで、その数倍の金額の取引ができるハイリスク・ハイリターンな取引方法です。

コインチェックでは、現在レバレッジ取引サービスを提供していません。国内の主要取引所でレバレッジ取引を提供しているのはビットフライヤーとGMOコインなどです。

ただし、国内取引所のレバレッジ率は最大でも2%で、取引可能な通貨の種類も多くはありません。より多様な通貨で高いレバレッジをかけた取引をしたい場合は、海外の仮想通貨取引所「Bybit(バイビット)」なども選択肢になります。

コインチェックで手数料を抑えて使うコツ

ここまで見てきたように、コインチェックは手数料の種類によって、他の取引所より高くなるケースがあります。しかし、使い方を工夫すれば、手数料をある程度抑えることが可能です。

「販売所」ではなく「取引所」を使う

「販売所」ではなく「取引所」を使う

最も重要なコツは、可能な限り「取引所」形式を利用することです。これはコインチェックに限らず、どの取引所にもあてはまることので覚えておきましょう。

前述の通り、販売所の手数料は無料ですが、購入価格と売却価格の差である「スプレッド」が実質的なコストとなります。コインチェックの販売所スプレッドは「広い」傾向にあるため、ユーザーにとって不利な価格での取引になりがちです。

一方、取引所形式では、一般的に販売所よりも売買価格差が狭く、より有利な価格で取引できる可能性が高まります。コインチェックの取引所では、ビットコイン(BTC)の手数料が無料なので、BTCを取引する際は必ず取引所を利用しましょう。

ただし、コインチェックの取引所で扱っている銘柄は限られています。取り扱い通貨の一部は販売所でしか取引できません。これらのアルトコインを頻繁に売買したい場合は、スプレッドによるコストが高くつく可能性があるため、他の取引所の利用も検討しましょう。

仮想通貨の送金には使わない

仮想通貨の送金には使わない

コインチェックは仮想通貨の送金(出金)手数料が有料になっているため、無料の取引所と比較するとコストがかかります。

例えば、SBI VC Trade、GMOコイン、ビットポイントではBTC送金手数料が無料です。頻繁に仮想通貨を外部に送金する予定がある場合は、コインチェックの利用はコスト面で不利になる可能性があります。頻繁に仮想通貨送金をする場合は、手数料無料の取引所を利用しましょう。

日本円の出金は最小限にする

日本円の出金は最小限にする

コインチェックでは、日本円を出金するたびに407円の手数料がかかります。

仮想通貨をすぐに売却して日本円に替えるような使い方をしたい場合は、SBI VC TradeやGMOコインといった、出金手数料無料の取引所を利用しましょう。

手数料以外でのコインチェックのメリット

仮想通貨送金や日本円出金手数料の面ではやや不利なコインチェックですが、それを補うメリットも存在します。

主要コインの取引手数料が無料

主要コインの取引手数料が無料

コインチェックの取引所形式では、BTCの他、ETH、XRP、DOGEなど多くの通貨が手数料無料になっています。MakerやTakerといったことを意識する必要がないため、細かな計算をせずに気軽に取引したい人にとっては、良い取引環境と言えるでしょう。

積立投資サービスとステーキングサービス

積立投資サービスとステーキングサービス

コインチェックでは、仮想通貨の積立投資サービスとステーキングサービスを提供しています。

積立投資サービス「Coincheckつみたて」 は、毎月または毎日、設定した金額分の仮想通貨を自動で購入できるため、価格変動リスクを抑えながら長期的な資産形成を目指したい方に向いているサービスです。

また、特別な申し込みや手続きは不要で、対象通貨をコインチェックの口座に保有しているだけで、自動的に報酬が付与される「ステーキングサービス」も提供されています。

ただし、比較対象の多くの国内取引所でも同様のサービスは提供されています。コインチェック独自の魅力というわけではありませんが、他の取引所に劣らない機能が提供されていると言えるでしょう。

大手マネックスグループ傘下の安心感

大手マネックスグループ傘下の安心感

コインチェックは、2018年に大規模なハッキング被害(NEM流出事件)を経験しました。

この事件は仮想通貨業界全体に衝撃を与えましたが、事件後、コインチェックはネット証券大手のマネックスグループ株式会社の傘下に入り、経営体制およびセキュリティ体制を大幅に強化しています。

大手金融グループ傘下であるという点は、特に初心者の方にとって大きな安心材料となるでしょう。

コインチェックを使うのがおすすめな人・おすすめ出来ない人

ここまでの内容を踏まえ、どのような人にコインチェックがおすすめで、どのような人にはあまり向いていないのかをまとめました。

おすすめ:外部に送金せず仮想通貨投資だけをする人

おすすめ:外部に送金せず仮想通貨投資だけをする人

コインチェックは販売所と外部送金の手数料が比較的高い取引所ですが、その他の点については他の取引所と比べても遜色はありません。販売所を利用せず、外部送金を頻繁にしない方にとっては、十分に使いやすい取引所と言えるでしょう。

また、BTCなど多くの取引所手数料が一律無料になっているため、Maker・Takerに分かれている他の取引所よりもシンプルでわかりやすいというメリットもあります。Maker手数料がマイナスになる取引所もありますが、複雑な注文をしないのであれば、コインチェックの無料は魅力的です。

おすすめできない:他の取引所やウォレットに送金する予定がある人

おすすめできない:他の取引所やウォレットに送金する予定がある人

コインチェックは仮想通貨の送金手数料が有料です。

そのため、購入した仮想通貨を「MetaMask(メタマスク)」などの個人ウォレットに移したい方や、海外取引所・DeFiサービスを利用するために送金したい方は、送金手数料が無料のSBI VC Trade、GMOコイン、ビットポイントなどを利用する方がコストを節約できます。

まとめ

コインチェックの手数料について、他の取引所と比較しながら解説しました。

情報をまとめると、コインチェックは他の国内取引所よりも「日本円の出金手数料」と「販売所のスプレッド」が高いと言えます。ただし、取引所形式ではビットコインなどの取引手数料が無料でわかりやすいので、コインチェックの中だけで仮想通貨投資をする人にとっては、使いやすい取引所です。

一方で、仮想通貨の送金頻度が高い人、取引コスト(特に販売所スプレッド)を抑えたい人、レバレッジ取引をしたい人、多くのアルトコインを取引所形式で売買したい人には、ご自身の目的に合った特徴を持つ他の国内取引所や、バイビットのような海外取引所も併せて検討することをおすすめします。

※本記事に記載された情報は2025年4月18日時点の調査に基づいています。手数料やサービス内容は変更される可能性がありますので、最新の情報は必ず各取引所の公式サイトにてご確認ください。

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