暗号資産(仮想通貨)運用企業ビットワイズの最高投資責任者(CIO)マット・ホーガン氏は25日、ステーブルコイン発行大手サークルの企業価値が2030年までに750億ドル(約12兆円)に達するとの試算をCIOメモで公開した。
直近の株価急落を「過剰な反応」と一蹴、試算根拠には影響しないと強調
ホーガン氏は、今週火曜日にクラリティ法の最新草案報道を受けてサークル株が20%急落した点に触れ、「この反応は過剰だ」と一蹴した。同法草案はステーブルコインユーザーへの利息支払いを制限する内容で、サークルの収益悪化につながるとの懸念が売りを誘ったとみられる。
同氏はこれまでステーブルコインが普及してきた主要因が利息収入ではなく、世界中どこへでも効率的に資金を移動できる「利便性」であると指摘。一方で同法草案がむしろサークルのマージン改善につながる可能性があるとし、試算の根拠は揺るがないと強調している。
市場規模・シェア・収益率の3指標で試算、上振れシナリオでさらなる成長も
ホーガン氏の試算の柱となるのは3つの指標だ。まず市場規模について、同氏はシティグループのベースケース予測である「2030年に1兆9,000億ドル(約303兆円)」を保守的な試算のベースとして採用した。
次に市場シェアだ。同氏によるとサークルのUSDCは現在、ステーブルコイン市場全体の25%を占めており、規制市場に限れば推定80%超に達するという。競争激化によるシェア低下の懸念もあるなか、ホーガン氏は現状の25%維持を前提に置いた。
そして収益率だ。現在サークルはAUM800億ドル(約12.7兆円)に対して約4%の利息収入を得ているが、収益の約60%を販売パートナーへの手数料として支払っており実質の収益率は約1.6%にとどまる。競争激化によるマージン圧縮を見越し、同氏は収益率の試算を0.8%に設定している。
ホーガン氏はこれら3つの前提をもとに、S&P500の平均株価収益率(PER)である28倍を適用して試算。2030年時点のサークルの企業価値は現在の約2倍に相当する750億ドルに達すると結論付けた。
さらに同氏は、ステーブルコイン市場がシティグループの強気ケースで推移した場合や、サークルが市場シェアを拡大・新たな収益源を開拓した場合には、750億ドルを大幅に上回るシナリオも十分あり得るとしている。
業界をリードするステーブルコイン企業として、サークルへの市場の関心は今後ますます高まりそうだ。ステーブルコイン市場の拡大とともに、同社の企業価値がどう推移していくのかが引き続き注目される。
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