冬の時代に厳しい売り圧
米国政府のものとされ、シルクロード関連の事件で押収されたビットコインを保管するウォレットが12日、3つの別々の取引で9000BTC(約400億円)を動かしたことが、オンチェーンデータで明らかになった。
関連:CryptoQuantとは?特徴や使い方|仮想通貨オンチェーンデータ分析ツール
関連:Etherscan、オンチェーン分析用のフィルタリング機能を発表
Silk Road(シルクロード)は 2011年2月にダークウェブ上に作られ、2014年に米国当局に閉鎖されるまで存在していた闇市場だ。通常のインターネットからはアクセスできず、Torのみを通じて利用でき、2013年7月まで約96万人の登録ユーザーを有していた。マリファナ、LSD、ヘロイン、コカインなども含めた禁止薬物や銃、流出クレジットカード情報などを取引し、唯一の決算手段としてビットコインが使われていた。
今回動いたビットコインは、シルクロードの元ユーザーであるJames Zhong氏がシルクロードから盗み出したものだ。Zhong氏は2012年9月に9個のアカウントを作成し、140回以上の偽装取引を実行してシルクロードから約5万ビットコインを不正に引き出したとのこと。最終的にチョンは約5万3500ビットコインを不正に入手した。
その後、2021年11月にZhong氏の自宅から5万ビットコインが押収された。押収されたビットコインは、押収当時のレートで33億6000万ドルに相当し、アメリカ司法省史上2番目に高額な押収額となった。(1位はBitfinexから盗まれた4200億円相当のビットコインだ)
米国政府は、今年3月に、Zhong氏の事件に関連するビットコインのうち9,800BTCを売却し、1年以内にシルクロード関連でさらに41,500BTCを4回に分けて売却する予定であると述べた。
今回動いたビットコインは、いずれも未使用のアドレスに移動されているため、すぐに売却されると考えるのは早計かもしれないが注意したい。その時の値動きは以下の通りとなる。
