ビットコインに刻まれ続ける謎の文字列、資金をたどると米国憲法に

ビットコインに刻まれ続ける謎の文字列、資金をたどると米国憲法に
mempoolより引用
水澤 誉往
4 Min Read
Highlights
  • ギャラクシー・リサーチが25日、ビットコインに1日約40回書き込まれる暗号風の文字列を分析
  • 文字の出現率がほぼ均等で暗号ではなく、データを公開するツールを試すボットとの見方
  • 例に挙げられた取引の一つからJinaCoinが資金をたどると、5月の米国憲法の書き込みに到達

暗号資産(仮想通貨)企業Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル、GLXY)の調査部門Galaxy Research(ギャラクシー・リサーチ)は日本時間25日、ビットコインBTCBTCのブロックチェーンに書き込まれ続ける暗号のような文字列を分析し、データを公開するツールのテストとの見方をXで示した。JinaCoinが、同社が例に挙げた取引の一つから資金をたどると、5月に米国憲法を書き込んだ取引に行き着く。

ギャラクシー・リサーチ、文字の偏りから暗号ではないと分析

書き込みには、取引に任意のデータを載せるOP_RETURNという欄が使われている。同社によると、3週間ほど前から書き込みが続き、直近は1日約40回に上る。

562件の文で、アルファベット26文字の出現率はどれも3.6〜4.2%に収まった。英語ならeの12.7%からzの0.07%まで大きく偏り、文字を別の文字に置き換える暗号でもこの偏りは消えないという。

同社の分析では、文字の偏りを測る一致指数も0.0385で、ランダムな文字列の値にあたる。

同社が試した、ヴィジュネル暗号のような繰り返しの鍵を探す検定でも、40文字までの長さで鍵は見つからなかった。単語の長さも2〜10文字がほぼ同じ割合で、3〜4文字が多い英語とは違う形だという。

ビットコインへの書き込み、夜も週末も続く定時のプログラムと分析

同社によると、書き込みの取引はどれも入力1つ、新しいおつりのアドレス1つ、OP_RETURN1つの同じ形をとる。前の取引のおつりを次の取引で使う鎖が31本あり、最も長いものは86回続く。1日の件数は12件、24件、約40件と増えてきた。

長い文は鎖ごとに6時間おきで、UTCの5時、11時、17時、23時(日本時間では14時、20時、2時、8時)の前後1時間以内に承認されているという。10月10日からは、1時間ずれた時刻に書き込む鎖も加わった。同社は、人ではなく決まった時刻に動くプログラムとみている。

同社によると、5月上旬の「Hello, world」や、ダミーの文に使われるLorem ipsum、「purpose: upload test」と書かれたJSONなどが書き込まれていた。中国語や日本語、キリル文字、アラビア語の単語もあり、データを公開するツールの更新記録のようだとしている。

JinaCoinがたどった資金、5月の米国憲法の取引につながる

ギャラクシー・リサーチによると、どの鎖の資金も、5月にあった取引所からの少額の出金3回(計0.033 BTC、約41万円)にさかのぼる。同じ資金で、米国憲法の全文も書き込まれたという。

JinaCoinは、同社が例に挙げた取引の一つから、資金の流れをmempool.spaceでさかのぼった。入力はどの段も1つで、10月9日に2万sat(約2,500円)の出力を12個作った取引や7月29日の分配を経て、日本時間5月29日の取引に行き着く。この流れには、次の書き込みが含まれる。

日本時間(UTC)書き込まれた中身データの大きさ手数料
5月29日9時25分(29日0時25分)米国憲法の全文44,194バイト11万3,454sat(約1万4,000円)
6月6日1時37分(5日16時37分)大文字の無意味な文字列99,000バイト37万5,112sat(約4万7,000円)
7月5日0時18分(4日15時18分)独立宣言の全文9,285バイト2万3,488sat(約2,900円)
mempool.spaceのデータ(10月26日取得)をもとにJinaCoin作成

3件の手数料は計51万2,054sat(約6万4,000円)で、ギャラクシー・リサーチの集計と合う。

書き込みは同社の投稿後も続く。JinaCoinがたどった鎖では、日本時間26日9時44分に承認された取引にも、34バイトの文が入っていた。この取引の手数料は33sat(約4円)で、1vBあたり約0.2satにとどまる。

日本時間26日9時44分に承認された書き込みの取引。OP_RETURNの欄に意味のない文字列が入っている(mempool.spaceの画面、10月26日取得)
日本時間26日9時44分に承認された書き込みの取引。OP_RETURNの欄に意味のない文字列が入っている(mempool.spaceの画面、10月26日取得)

ビットコインのノードソフトBitcoin Coreは2025年10月公開の30.0で、OP_RETURNの初期設定の上限を、従来の83バイト(命令の部分を含む)から10万バイトに引き上げた。最低中継手数料の初期値は、1vBあたり0.1satとしている。

ギャラクシー・リサーチによると、投入された資金は約333万sat(約42万円)で、24%が手数料に使われ、76%は自身のアドレスに残る。誰かへの支払いはない。同社は書き込みの主をBabel Scribeと名付け、メッセージではなくツールのテストだとして、読まずに放っておくよう勧めている。

関連:ビットコイン取引の8割が「0.01BTC未満」──膨らむ少額取引の中身とは

※価格は執筆時点でのレート換算(1BTC=12,532,207円)

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

JinaCoinメルマガ開始
Share This Article
Follow:
株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA